暴落も関係ない? ヘッジファンド的運用を組み込んだSUSTENロボアドの凄さ(3/6 ページ)

» 2021年07月09日 17時10分 公開
[斎藤健二ITmedia]

分散、分散、分散

 こうしたヘッジファンド的な運用を行うのが、同社が運営する投資信託の1つ、Greenファンドだ。SUSTENは、このほかに株式主体のRedファンド、債券主体のBlueファンドという3つの投資信託を組み合わせて、ユーザーのポートフォリオを構築する。

通常のロボアドがメインの投資先とする全世界株式と全世界債券に加え、景気に連動しない絶対収益型の運用を組み合わせることで、分散効果を増す

 ヘッジファンド的なGreenファンドといっても、ものすごい収益を狙っているわけではない。設定から6カ月間のリターンは3.34%。同期間に株式主体のRedファンドが13.27%のリターンを上げているのに比べると、小さいように見えるかもしれない。

 しかしこれはリスクを敢えて抑えているためだ。「目標リスクをまず定めて、その中でリターンを高める努力をしている。リスクはコントロールできるので株式の3分の2くらいにしている。そして0.65くらいの期待シャープレシオ、つまりリスクが10%くらいだとすると、6.5%くらいのリターンだ」(山口氏) 

 余計なリスクを抑えて、一攫(いっかく)千金ではなくリターンをコツコツ取っていく。そんな思想だ。

 「よほどの余剰資金でもない限り、7〜8%以上のリターンを目指すのはややリスクを取り過ぎだと考えている。歴史的に資本収益率は4〜5%程度。一般の人がそれを大きく上回るリターンを目標とするのはリスクの取り過ぎの可能性がある」(山口氏)

 これまでのロボアドの多くは分散投資が重要だと説き、株式の国際分散、債券の国際分散を行ってポートフォリオを作ってきた。そこでは、複数の資産をできるだけ分散して保有することで、リスクが下げられることがうたわれてきた。

 互いに値動きが連動しない資産を組み合わせることで、リスクを下げられる。これは数学的な事実だ。であれば、株式市場の影響を受けないGreenファンドを組み込むことで、分散効果をさらに高めることが期待できるわけだ。

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