こうしたヘッジファンド的な運用を行うのが、同社が運営する投資信託の1つ、Greenファンドだ。SUSTENは、このほかに株式主体のRedファンド、債券主体のBlueファンドという3つの投資信託を組み合わせて、ユーザーのポートフォリオを構築する。
ヘッジファンド的なGreenファンドといっても、ものすごい収益を狙っているわけではない。設定から6カ月間のリターンは3.34%。同期間に株式主体のRedファンドが13.27%のリターンを上げているのに比べると、小さいように見えるかもしれない。
しかしこれはリスクを敢えて抑えているためだ。「目標リスクをまず定めて、その中でリターンを高める努力をしている。リスクはコントロールできるので株式の3分の2くらいにしている。そして0.65くらいの期待シャープレシオ、つまりリスクが10%くらいだとすると、6.5%くらいのリターンだ」(山口氏)
余計なリスクを抑えて、一攫(いっかく)千金ではなくリターンをコツコツ取っていく。そんな思想だ。
「よほどの余剰資金でもない限り、7〜8%以上のリターンを目指すのはややリスクを取り過ぎだと考えている。歴史的に資本収益率は4〜5%程度。一般の人がそれを大きく上回るリターンを目標とするのはリスクの取り過ぎの可能性がある」(山口氏)
これまでのロボアドの多くは分散投資が重要だと説き、株式の国際分散、債券の国際分散を行ってポートフォリオを作ってきた。そこでは、複数の資産をできるだけ分散して保有することで、リスクが下げられることがうたわれてきた。
互いに値動きが連動しない資産を組み合わせることで、リスクを下げられる。これは数学的な事実だ。であれば、株式市場の影響を受けないGreenファンドを組み込むことで、分散効果をさらに高めることが期待できるわけだ。
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