2021年上半期、世界で1番売れた日本の商品は?

» 2021年08月01日 10時47分 公開
[ITmedia]

 越境ECサービスを手掛けるBEENOS(東京都品川区)は、2021年上半期の越境EC(国際的に商品の販売を行う通信販売)の消費動向を振り返る「BEENOS 2021年上半期 越境ECランキング」を発表した。その結果、世界で売れている日本の商品1位は、繊細な刃先が特徴の「パンフラワー用ハサミ」(やおき工業)だった。

世界で売れている日本の商品1位は?(写真提供:ゲッティイメージズ)
2021年上半期 越境ECランキング(以下リリースより)

 1位のパンフラワー用ハサミは、刃物の産地で知られる岐阜県の関市で製造している。パンフラワー(小麦粉の粘土細工)や刺繍、化粧用で使用されており、コロナ禍のおうち時間が増えたことで需要が高まった。

 2位は、防振ゴム専門メーカーが作った「軽量用防振ゴムKXBシリーズ」(倉敷化工)だった。小型ポンプ、ファン、モーターなどの防振や除振に使用されるパーツだ。

 3位には、ミニカーの「ホットウィール ニッサン シルビア(S15)」(マテル・インターナショナル)、4位に「日清 スーパーカメリヤ ドライイースト(お徳用)」(日清フーズ)、5位は釣り具の「ASA015ハゲ皮サビキ」(浜田商会)だった。

 次に日本の商品で、世界で売れている代表的な商品ジャンルについて調査した。その結果、越境ECの二大ジャンルにホビーとファッションが選ばれた。趣味性の高いニッチな(特定の客層や限定的なニーズを満たす)商品は、日本のコンテンツが好きな世界中のファンから需要が高まる傾向にある。

 ホビー商品は、越境ECと相性が良く流通に結び付きやすいという。特に上半期は、人気アニメの世界的ヒットやトレーディングカードの需要が高まり、特典カードが入った限定商品が人気を集めた。また、クリエイターによる創作の総合マーケット「BOOTH」では、世界的にも有名なVTuberのグッズが人気だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進み、ステイホームの影響で海外の人が日本のコンテンツに接する時間が増えた。日本のコンテンツを通じて世界のファンがつながり、オンラインでのコンテンツ視聴や関連グッズの購入が増加した。

 ファッションでは、日本のアパレルブランドの品質とデザインが海外で評価され、人気を集めている。特に、ストリートファッションブランドや日本のデザイナーズブランドが支持を得た。日本発のリユース品も状態の良さから世界的に需要が高く、限定スニーカーやラグジュアリーブランドのアイテムも人気だ。

 BEENOSによると新型コロナウイルスによる影響で観光業やインバウンド消費が打撃を受ける一方、越境ECは中国やASEAN諸国の受注が伸びるていて、特に米国での流通は大幅に拡大しているという。日本企業は、国内だけでなく海外の消費者にも情報を発信することでビジネスの拡大を目指す。

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