「うちのハラスメント対策は万全ですよ。相談窓口を何年も前から設置していますからね。もっとも、うちはハラスメントなどない働きやすい会社なんです。だって、ハラスメントの相談をしてくる社員なんか一人もいませんから」
――そうコメントしたのは、とある中小企業の社長でした。ハラスメントの相談窓口を利用する必要がないほど、社員にとっては環境の良い会社であるとの自負をお持ちのようです。
しかし、このコメントには2つの落とし穴が隠れています。1つ目は、相談窓口をただ置いているだけでは「正しい設置」にはならず、ハラスメント対策は万全とは言えないこと。2つ目は、相談窓口に相談をしてくる社員がいないからといって、ハラスメントが起こっていないとは言い切れないことです。
人事担当者としては「相談がないのは問題がない証」と思いたいという面もあるのでしょうが、問題が発覚したときには「後悔先に立たず」。被害者のダメージが深刻になっているケースはよくある話です。
ここからは、理解不足により正しい窓口設置ができていないことが多い、中小企業のハラスメント対策について3つのポイントをもとに考えます。
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