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「やけくそ」でつくった切り餅調理機が大ヒット 洗車機トップシェア企業の個性的な開発方針とは家電メーカー進化論(2/6 ページ)

» 2021年11月16日 07時00分 公開

石油ポンプの製造がルーツ

 エムケー精工は丸山氏の祖父にあたる丸山盛永氏が1948年に設立した丸山工業有限会社がルーツとなる。最初に手がけていたのは、りんごの袋をとめる金具や瓶の王冠といった金物などだという。そして、ストーブに灯油を移す給油ポンプが大ヒットし、街の金物屋のネットワークを通じて日本全国で販売したことで急成長した。

 「当時、街の金物屋さんは地域に根差した商売をしていました。その関係で、調理雑貨や計量米びつ、収納庫といった具合に取り扱う商品が広がっていきました。また、地域の金物屋さんはガソリンスタンドを経営していることも多く、その流れで洗車機を始めとする自動車関連機器も製造するようになり、製品が広がっていきました」(丸山氏)

52年にサイフォン式給油ポンプ「ダイヤポンプ」を発売。これが大ヒットし、エムケー精工の礎を築いた

 給油ポンプをきっかけに始まった日本全国の金物屋との取引。これを起点にB to Cを進めたのが家電を始めとする生活関連商品であり、B to Bに進めたのが、自動車関連機器だという。

 ガソリンスタンドに門型洗車機を納入する中で、ガソリン価格を表示する看板やLED表示灯の製造も依頼され、自動車関連のビジネスは横に広がっていった。

同社製の門型洗車機。また、スマートフォンで洗車受付できる洗車アプリが昨年10月にリリースされている

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