存在感が増したことで、ネガティブな話も数多く登場した。長期に渡って課題となりそうなのが、温暖化対策、脱炭素との兼ね合いだ。ビットコインはマイニングのために大量の電力を消費し、それはポルトガル2.5カ国分に相当すると言われている(記事参照)。しかも、電力コストが安いところでマイニングは行われるため、多くが石炭火力などに依存することが多い。
一時はビットコイン決済への対応を発表した米テスラが、一転、取りやめたのも、この環境への影響を配慮してだ。この頃から、脱炭素の文脈で仮想通貨を否定する声が高まってきた。
9月に行われた中国の仮想通貨全面禁止も、1つにはこれが要因とされる。温暖化対策に舵を切った中国では仮想通貨の禁止によって、それまで国内に大量にいたマイニング業者が操業を停止。海外脱出を図るという事態になった。
もう1つの要因が、中国が準備を進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)との兼ね合いだ。フェイスブック(当時)が構想を掲げたLibraに各国が反発したのは、ともすると仮想通貨が国家主権である法定通貨を脅かすという懸念があったためだ。中国がCBDCを進めるにあたって、競合になり得る仮想通貨を締め出すのも自然なことだ。
後編では、2022年に向けての課題と、価格動向の見通しをまとめる。
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