また金など貴金属における価格算定手法の1つであるストック・トゥ・フロー比率(S2F)でも、ビットコインの上昇が示唆される。S2Fとは、新たに供給される量に対し過去の生産量合計の比率を示すものだ。つまり、この比率が大きくなるほど、供給が少なく希少性が高いと考えられる。
そして、金や銀などの貴金属においては、希少性が高くなるほど価格が増大する傾向が見られ、その価格上昇はS2F比率に連動しているという過去の歴史があった。これをビットコインにも当てはめるなら、供給量が減少してS2F比率が高くなるほど、希少性が増して価格が上昇することになる。
このS2Fモデルにのっとって作られたビットコイン価格の予想価格は、22年末に約10万ドル(約1130万円)となっており、業界関係者の多くが10万ドルを意識する理由になっている。
10万ドルが一つの節目である一方で、半減期後の後半2年は価格が落ち着きを見せるというのがこれまでの展開だ。22年後半以降は、次の半減期である24年まで“冬の時代”を迎えるのではないかという予想もある。
22年以降の仮想通貨は、ステーブルコインやL2(レイヤー2)技術の発展など、決済用途でも進展が見込まれる。またNFTやメタバース内での決済用途など、新たなユースケースも登場してくるだろう。ビットコイン価格が落ち着きを見せたとしても、NFTやメタバースでの基軸通貨として期待されるイーサリアムは、現在メジャーバージョンアップであるイーサリアム2.0への移行中だ。22年には、マイニングに大規模な演算を必要としないPoS(プルーフオブステーク)のメインネットでの稼働が見込まれており、大きなマイルストーンになると考えられる。
一部の個人投資家の投機対象としての存在から、仮想通貨が社会基盤に変ぼうしつつあるのが、21年から22年の状況だといえそうだ。
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