Zホールディングス(ZHD)およびソフトバンクは7月27日、コード決済事業を営むPayPay社を10月1日に連結子会社化すると発表した。併せて、PayPay社は10月1日付けでPayPayカード社の株式をヤフーから取得し、完全子会社化する。
狙いはZHDとPayPayの連携を密にすることだ。
コード決済最大手のPayPay(PayPayWebページより)
PayPayはサービス開始から3年9カ月が経ち、4月末にはユーザー数が4700万人を超えた。直近2022年3月期は、売上高が574億円、営業利益が595億円の赤字となっている。一方で、ユーザー数拡大に注力してきた3年が終わり、21年10月からは加盟店手数料を有料化するなど、収益化フェイズに移行している。
「PayPayの決済ビジネス部分では、プロモーションなどユーザー獲得費用を除くと黒字化している。ここから先、全体の黒字化も近づいているという手応えを感じている段階だ」と、ZHDの専務執行役員GCFO(最高財務責任者)の坂上亮介氏は説明する。
PayPayの収益化プランとしては、一階部分と呼ぶ決済ビジネスのほかに、二階部分と呼ぶ加盟店向けサービス、そして三階部分となる金融ビジネスがある。この加盟店向けサービスや金融ビジネスを推進するためには、ZHDと一体で運営していくことが重要だと判断した。
PayPayの業績の推移。赤字幅は縮小しているが、まだ500億円規模の赤字だ(適時開示資料より)
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LINEとの経営統合を果たしたZホールディングス(ZHD)が、さらなる成長に意欲的だ。4月28日に行われた2021年3月期の決算発表では、「創業から25年経つ大きなヤフーだが、まだまだ成長できる」と川邊健太郎Co−CEOは意欲を見せた。
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