現在は、まだカーブインまでには至っていないが、ベンチャーだからこそ取り組めることもあれば、大企業だからこそ広げられる領域もある。
「パナソニックでものづくりを学び、人脈を作ることで、事業の実現性、作り出す製品の精度を高めることができる。その上で自分自身のやりたい事業に挑戦するという道筋を作りたい。最初から社外に出て起業することを意識した上でパナソニックに入る。そうした人材は、ただ大企業で仕事をこなそうという人材とは大きく意識が違います。実際にそうした事例も生まれていますが、起業家精神旺盛な新入社員が加わると、その上司の意識も変化するんです」と春田氏は話す。
「単に『若いのが来たけど、また青いな』ではなく、自分よりも新しい技術に関して興味や知識を持ち、新しい事業領域の開拓に積極的な新人材。これは中堅や幹部にとっても大きな刺激になるんです」(春田氏)
こうした機運は、パナソニックの新卒採用活動にも反映されている。「大企業に入る意味とは何なのか」について広報するとともに、大学での講義も積極的に引き受けて、今の世代の、新しい事業を立ち上げることに興味を持つ人たちにそのことを知ってもらう。
大企業が産業の中心であり続けてきた日本での、新しい事業環境。その事例として今後も注目していきたい。
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