経営に暗雲が立ち込めて株価が下がると、増資するにしても大量の株式を放出しなければならない事態に陥るなど、資金繰りに窮する可能性もある。そのような際に優待族が株価をサポートすることで円滑に資金調達を行い、事業立て直しに活用できるといったケースもあるため、株主優待制度にも無視できないメリットがあることも確かだろう。
さらに、日本マクドナルドHDのように株主優待が自社製品であれば、投資家には販売価格相当の価値を提供できるが、コストは製造原価のみとなる。内部では数百円程度のコストしかかかっていないものを、1000円規模の優待品としてアピールすることができるのも、配当金では実現できないメリットだろう。
逆に、QUOカードのようにコストと優待価値が一対一のような株主優待は、実質的に「手間のかかる配当金」と化している。そのため、自社製品以外のものを優待品として提供する会社にとっては、株主優待を継続するよりも配当金に集約するのが効率的として、今後は株主優待を廃止する動きが増えていく可能性もあるだろう。今後の各社の動きが注目される。
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CFOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら
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