――APACといえば、14億人の人口を擁する中国市場は避けては通れないと思います。現時点でディズニープラスにおいて中国での戦略は打ち出せていない状況にあると思いますが、この巨大な中国市場をどのように見ていますか。
カン: 中国においても私たちが優れたコンテンツを持ちたい思いは変わっていません。中国に私は赴任していましたし、そこでさまざまな経験をしました。中国で作品などを市場に出す時に、中国特有の問題があることにも直面してきました。
そこで気付いた点として、中国でマーケティングをする上で一つ大事なことがあります。それは中国の市場を捉える上で、一つの市場という形で捉えるのではなく、たくさんの市場が集まったものと考えることです。
――企業が中国でマーケティングをする上で、単一の市場として見てはならないということですね。
カン: 中国は広大で、地域性もあれば都市ごとの格差もあります。そこで私たちが実践したことは、都市ごとにカテゴライズし、それぞれで異なるマーケティングをするようにしています。それまで私たちも中国を一つの市場として捉え、思うようにいってはいなかったのですが、これによって私たちは大きなブレークスルーができました。
日本でも東京と大阪に住んでいる人とでは、違う考え方をしています。ところが中国になると、ここの都市間の違いが日本の比ではなく非常に大きいのが特徴です。西洋にいる消費者と、東洋にいる消費者くらい違いがあるケースもあります。ここが中国市場のユニークなところでもあり、マーケティングする上ではこうした考え方が重要になってきますね。
――最後にカンさんが、リーダーとして大切にしていることについて教えてください。
カン: リーダー一人ではビジネスは何もできません。チームワークを大切にすることがまず重要です。そしてもう一つ大事なことが、「リーダーは常に楽観的たれ」ということですね。いったい誰が悲観的な経営者に付き従うでしょうか。経営者である以上、トラブルは常につきものですが、どんなことがあっても楽観的であり続けなければ、人はついてきません。これが経営者として大切にしていることですね。
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