――APACのビジネス的な課題について、どのように見ていますでしょうか。
カン: まずAPACを考えた時に、一つの市場と捉えるのは難しいと思います。いくつかの市場が集まった地域と見ています。かつ、それぞれの市場が非常にユニークな特色を兼ね備えているようにも思っています。ディズニーはたくさんのブランドを抱えていますが、どのブランドが人気かは国や地域によって異なっています。
例えば、日本では他国の市場に比べ、「ディズニー」というブランドが非常に愛されています。老若男女、非常に幅広い層から支持をされていますが、特に若い女性たちからの支持が強いと感じております。日本におけるディズニーの歴史は70年以上にもなりますから、この積み重ねもあると思います。
隣の韓国でも私たちの作品は若者に人気ですが、『アベンジャーズ』に代表されるマーベル作品が人気で、日本とはターゲットが異なってきます。
――そうなると、一つ一つの国の特性に合わせたマーケティングが必要になってくるわけですね。
そうなります。ただ、若年層に広く受け入れられている点では共通しており、非常に重要なターゲットになる点では同じです。この点は日本から学びました。例えば韓国や中国などでも、日本で得た若者向けマーケティングの知見を生かしている部分もあります。日本での非常にユニークな特色を取り入れ、それを他のAPAC市場にも応用していくことはできます。
――各国の市場のユニークさを把握し、それを水平展開していくことも可能なわけですね。
カン: どこの市場もそれぞれユニークさというものが必ずあります。なので、それぞれの市場においてのユニークさを見つけ、把握していくのが、私たちの仕事になってきます。
――一方で、APAC全体に共通する動きや特性というものはありますか。
カン: あります。APAC全てにおけるトレンドとしては、自国や地域のコンテンツを消費者が非常に好んでいる点が挙げられますね。これは、私たちが予想していたものよりはるかに高いものでした。例えば日本ですと自国のマンガを原作としたアニメが大人気ですし、韓国でも自国の俳優を起用したドラマが大人気です。
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