コールセンターやお客様相談窓口といった“コンタクトセンター”は、「クレーム対応に追われてしんどい」といったイメージが根強い。しかし、コンタクトセンターに寄せられた消費者からの意見を活用し、商品開発につなげている企業がある。
味の素グループのお客様相談センターでは、消費者から寄せられた“声”を反映した商品開発・商品の改良を強化している。お客様相談センターに寄せられる年間約4万件の意見を“全て”読み込んでいるというのだ。
味の素グループのお客様相談センターは、味の素、味の素AGF、味の素冷凍食品の3社合同で運営を行っている。社員(派遣社員も含む)23人、電話やメールの応対、代替品などの発送を行う業務委託先が29人、合計52人で構成。
組織は(1)応対統括グループ(2)企画・情報統括グループの2つに分かれている。応対統括グループが電話やメールで寄せられる問い合わせに対応。企画・情報統括グループが寄せられた意見の読み込み、分析などを行う。
応対統括グループでは、問い合わせ内容を全てシステムに記録し、データとして蓄積する。また、オペレーターとの会話で利用者に納得してもらえなかった場合は社員がすぐに対応できるように体制を整備している。
「1日当たり味の素には約80件、味の素冷凍食品には約25件、AGFには約35件、合計140〜150件、1年間で合計4万件程度のお問い合わせがあります。
お問い合わせ内容は、『どこで売っていますか?』『賞味期限が切れちゃっているんだけど』といった取扱店や商品の使い方に関するもの、『説明書き通り作ってみようと思っているんだけど、●●を切らしていて。どういたらいいかしら?』といった調理に関する内容などさまざまです。こういった声は、味の素のファンであるからこそいただけるのだと思っており、大切にしています」(応対統括グループ 中曽根佐智子さん)
問い合わせのほとんどは使い方や取扱店舗に関するもので、商品に対する指摘は全体の5%程度だという。
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