外食大手の2割が“卵メニュー”休止 「エッグショック」はおふくろの味も脅かすITmedia ビジネスオンライン Weekly Top10

» 2023年03月10日 12時15分 公開
[菊地央里子ITmedia]

ITmedia ビジネスオンラインにおける1週間の記事アクセス数を集計し、上位10記事を紹介する「ITmedia ビジネスオンライン Weekly Top10」。今回は2023年2月27日から3月5日までの7日間について集計し、まとめました。

 先週、最も読まれた記事は、『390円ベーコンエッグ朝食 共働き4人家族があえて休日の「すき家」を選ぶワケ』だった。1人で入店して、さっと食べるイメージが強い牛丼チェーンだが、すき家にはファミリー向けの一面もあるのだという。その背景には店舗の立地が関係しているようだ。

top すき家にはファミリー向けの一面も

 人気の「自社製ベーコンエッグ朝食」(390円)は、ドイツ産の塩を丁寧にすり込み、2週間じっくり熟成させた自社製ベーコンを使用するというこだわりぶり。その他、メニューの量やデザートなど、ファミリー層があえてすき家を選ぶ理由を、体験談を交えて解説している。

top 390円の自社製ベーコンエッグ朝食(すき家公式Webサイトより引用)

 10位には、同じく朝食を扱った『幸楽苑の「朝ラーメン」390円 ビジネスパーソンにおすすめしたい理由』がランクインした。幸楽苑では、朝食メニューとして「中華そばクラシック」(390円)、「お粥(ハーフ)」(260円)、「玉子かけご飯」(260円)の他、スープやおひたしを組み合わせたセットメニューも展開している。

top 幸楽苑の朝食メニュー(幸楽苑公式Webサイトより引用)

 「朝からラーメンは少し重たいのでは?」と思う方もいらっしゃるだろう。取材した編集部の記者によると、中華そばクラシックは塩分控えめのあっさりとした味わいで、朝からでも食べやすいとのこと。またセットメニューの野菜スープ(塩味)やおひたしは、野菜たっぷりで栄養バランスにも配慮されているようだ。

いつか高級品になってしまうのか

 これらの朝食メニューはコスパの良さもポイントだが、その一方で定番メニューについては、原材料費や光熱費などの高騰を理由に値上げを実施。とどまることのない値上げラッシュの波は、かつて「物価の優等生」と呼ばれていた「卵」にも押し寄せている。JA全農たまごによると、東京地区におけるMサイズ鶏卵の平均卸売価格は、1キロ当たり340円(3月10日午前9時発表)。この4年で卸値は3倍にも跳ね上がっているのだ。

top 価格高騰が止まらない卵(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 こうした価格高騰を受け、帝国データバンクの調査によると、上場する主要外食100社のうち18社(3月5日時点)が卵メニューの休止・休売を実施した。卵とじやタルタルソースなど鶏卵加工品を使用するメニューにも影響が及んでいるという。

 個人的な話になるが、筆者の好物ベスト5には、卵焼きとオムライスがランクインしている。年末年始に実家に帰省した際、母からの「何が食べたい?」という質問には、必ずこの2つをリクエストする。筆者にとって大切なおふくろの味でもある。

top 筆者のおふくろの味には「卵」が欠かせない

 毎度お決まりのリクエストをすると、決まって母は「そんないつものごはんじゃなくて、普段食べないような豪華なごはんを言えばいいのに」とも言う。年末年始のごちそうもいいけれど、出汁がきいてほんのり甘い卵焼きと、しっかり焼かれた卵がのったオムライスが好きなのだ。

 このまま卵の価格高騰が続けば、卵焼きもオムライスもわが家の定番家庭料理から、めったに食べられない高級料理になってしまうかもしれない。筆者が最後にこの2つを食べたのは、コロナ禍前のことだ。今年こそ3年ぶりの帰省がかなうのか? 感染状況はもちろん、卵の価格推移も見守らなくては。

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