2024年4月に、TポイントからVポイントへの移行が完了したことは、単なるブランド変更にとどまらない戦略的意義があった。「『知らないポイントはいらない』と消費者は考えます。Tポイントの高い認知度と広範な店舗網があったからこそ、移行がスムーズに進みました」と伊藤氏は語る。そして「ポイントサービス成功のカギは、決済とどう組み合わせるかにあります」と強調した。
ポイントサービス間の競争について、伊藤氏はこう分析する。「PayPayポイントの急成長は、PayPay決済があるから実現しました」と指摘。「つまり、決済とポイントをいかに組み合わせるかが、共通ポイントの成功のカギなのです」と、ポイントサービスの本質を語った。
しかし、課題もある。「決済とポイントカードという枠をもっと融合させていかなければなりません。現状では、例えばポイントカードをピッとかざして、その後に決済するといった2段階のプロセスが必要です」と伊藤氏。「これはお客さまにとっても、店舗側にとっても、大きな手間となります。特に、レジでの操作を2回行う必要がある点は、ナンセンスです」と、今後の改善点を語った。
他社との差別化戦略については、「多くの企業は自社の経済圏からカード決済に移行していく戦略を取っていますが、われわれはカードが中心にあり、そこに周辺サービスを付けていくという逆の発想です」と独自のアプローチを説明。「経済圏にしばられず自由にお店を選べる点、日常利用で自然とポイントが貯まる点が利用者から評価されている」と自信を見せた。
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