2025年7月には、シアトルのベルタウンに2号店をソフトオープンした。まずは夜間のみ、かつ限定的なメニューで様子を見ながら営業している。営業ライセンスの取得に時間を要しているが、取得できれば正式オープンが可能になるという。
ベルタウンは外食客でにぎわうエリアで、1号店とは異なる立地で試してみようと選んだという。
現地には、日本でラーメン作りを学んだプレナスの社員2名が出向し、品質維持を担っている。職人が全て手作りする本格的なラーメンが強みとなる一方、オペレーションや従業員の教育などは、他店舗展開するうえでの課題となるかもしれない。
「そうした難しさは確かにあります。ちょうど今、職人が手作りするラーメンとマス向けのラーメンの細かな違いを探っていて、職人でなければ再現できない部分はどこで、どの工程がどの程度、品質に影響を与えるのかといったことを数値化しようとしています。非常に労力はかかりますが、ノウハウを確立してオペレーションや教育の仕組みを整えられれば、競合店が真似できないビジネスモデルになります」
三好氏によると、アジアを中心に海外で250店舗を運営する「やよい軒」(2025年6月末時点)では、そうしたノウハウが確立されており、競合との差別化になっているという。ご飯の炊き方から提供される食事の温度まで、あらゆるオペレーションが仕組み化されている。同じ価格では対抗できないため、他社は低価格を打ち出しているという。カヤバにおいても、そうした差別化の確立が当面の目標となる。
カヤバは、引き続き海外での出店を拡大していく方針だ。米国を中心としているが、やよい軒のあるアジアなどでもラーメン事業が成功する可能性は十分にあり、さまざまなエリアで検討しているという。「全て自社で作っているので、ブラックボックスが一切ないのが当社のユニークなところ。立地を探すのは容易ではないが、精力的に展開していきたい」と三好氏は意気込みを語った。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。一般社団法人 日本デジタルライターズ協会会員。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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