チラシ広告や公式Webサイトの写真と大きく違うパック寿司が売っていたら、ただ買われないだけだ。だから近年の角上魚類の快進撃もあって、大手スーパーの総菜コーナーにある「パック寿司」のネタも、かなりクオリティーが上がっている。
分かりやすいのは、東急電鉄系のスーパー「東急ストア」である。2025年8月、首都圏のスーパーとして初めて、青森の八戸港で水揚げされた鮮魚を当日販売し、話題になった。JR東日本の新幹線を使った荷物輸送サービス「はこビュン」を活用したという。
筆者は東急ストアのパック寿司をよく購入するのだが、角上魚類のように「水揚げ当日」というスピードにこだわり始めたからか、最近は安さのわりに、かなりネタが良くなったように思う。
こういう企業努力を続けている鮮魚専門店やスーパーの鮮魚コーナーの「パック寿司」に注目が集まれば、回転寿司の「写真と違う寿司」にモヤモヤを感じる人は間違いなく増えるだろう。
「CMを見てうまそうだから」「川口春奈さんみたいに“はまい”と言いたくて」と店を訪れて、着席して注文したところで「写真と違う寿司」が流れてきても「食べない」選択肢はない。その場ですぐに店を立ち去る人はまれで、ほとんどの人は楽しい食事の場を壊したくないので不満をぐっと飲み込む。文句を言ったところで、つくっているのはマニュアルに従うバイトの若者なので、単なるカスハラになりかねず、互いに嫌な思いをするだけだ。
つまり、厳しいことを言わせていただくと「回転寿司」というのは、「この安さで目くじら立ててもな」という寛容の精神で成り立っているビジネスモデルなのだ。その厳しい現実が、今回の食品の消費税ゼロによって、くっきりと浮かび上がる可能性がある。
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