――AI導入の取り組みは、サポート領域から始めたとのことですが、それはなぜでしょうか。
実際には、サポート領域(カスタマーサクセス)を先に進め、そこで得たノウハウを営業活動の領域に展開するという順番で進めてきました。サポート領域から始めた理由は主に3つあります。
1つ目は、データがそもそも整っていたことです。既存顧客の情報をCRM上に整理していただけでなく、どのような質問にどう回答すべきかという点についても、マニュアルやリリースノートなどに蓄積され、構造化されたデータが既にありました。2つ目は、業務フローそのものを定型化していたことです。
3つ目は、成果を測るKPI(重要業績評価指標)が既に存在していたことです。一般的なコンタクトセンターでも、解決までにかかった時間やCSAT(顧客満足度を測る指標)といった指標があります。加えて当社では、エージェント単独でどこまで対応できたかも指標として可視化できるため、成果が分かりやすく、ROI(投資対効果)を示しやすいという特徴があります。
これをフロント側に展開したのが、今取り組んでいる「ナーチャリング(顧客育成)・エンゲージメント(関係構築)エージェント」の領域です。見込み客との対話を通じて興味関心を深める役割を担っています。
当社では役割分担が比較的進んでいるため、それぞれの役割が持つデータやKPIに合わせて、どの領域であれば最も早く効果を出せるかを検討し、まずWebサイトから流入する領域から着手しました。
サイトを訪れる顧客についても、役職や流入経路から「自社への関心度」(優先度)をスコアリング(数値化)しています。これまでは質の高低にかかわらず人が対応する部分がありました。AI導入後は、優先度が高くない見込み客の初期対応はエージェントに任せ、人は契約可能性の高い、つまり優先度の高い顧客対応に集中する役割分担に変えました。
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