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飲食店の倒産が相次ぐのになぜ強い? 吉祥寺の4.5坪店が「6つの収益源」で稼ぎ続けるワケ(3/3 ページ)

» 2026年08月28日 07時00分 公開
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公的支援を「事業資源」として使い倒す リスクを最小化する視点

 チャレンジショップの最長利用期間は、1年間だ。卒業後に自らの店舗を持った出店者も多く、制度の設計自体が「実店舗開業への助走」として機能している。コンサルタントが物件の内見にも同行し、賃料の妥当性まで一緒に判断してくれるという。二荒氏はすでに「西荻窪、国分寺、国立あたりで、小さいところで本と喫茶はやっていきたい」と、次の物件探しを始めている。

チャレンジショップでの実績を糧に、二荒氏はすでに次の店舗経営に向けて動き始めている

 二荒氏の事例から、出店期間中に取り組んでおく活用法がいくつかある。まずは「本業以外の収益軸を早期に立ち上げること」だ。チャレンジショップ卒業後の店舗開業の時点で、実績と流通チャネルの素地が整っている状態を作ることが、次の物件交渉や資金調達でも有利に働く。

 「次に開業する店舗に持ち込める道具を選ぶこと」も重要だ。二荒氏は「次の店で買った本棚が店の中に入らなかったら困る。だから初めから、崩せるような本棚にするべきだと思っていました」と話す。出店中の判断基準を「チャレンジショップ卒業後の店舗でも(その道具を)使えるか」に置くことで、次の開業の資産に変えたのだ。

 顧客との関係を、在籍中から育てておく準備も欠かせない。「お客さまに『今こういう本を探しています』とお話したところ、次に来店された時に探していた本や関連書籍をリュックいっぱいに持って来て、見せてくださったことがあります」。立地を生かして集客するだけでなく、コアなファンを形成しておくことが、独立後の店舗運営を軌道に乗せる力になる。

 事業計画の精度を上げ、数字で経営を管理し、収益源を多層的に分散させる――。二荒氏の実践が証明したのは、情熱だけでは越えられない「黒字化の壁」も、公的制度を戦略的に使い倒すことで確実なビジネスに育てられるという事実だ。

 新規事業の立ち上げにおいても、現在活用できる事業資源を経営戦略に組み込む視点こそが、リスクを抑えながら一歩を踏み出す武器となるはずだ。

コアなファンを形成しておくことが、独立後の店舗運営を軌道に乗せる力になる(喫茶ヒロミブックス提供写真)

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