制度の狙いがさらに鮮明になるのが、SFCの家族カードの扱いだ。筆者がANA広報に確認したところ、SFC家族会員の区分は、本会員のSFCに連動するとのことだ。本会員がLITEなら家族もLITE、PLUSなら家族もPLUSであり、300万円の判定には家族カードの利用分も合算されるという。
例えば、100万マイル特例の対象外の本会員が、搭乗によってプラチナ資格を維持しても、決済条件を満たさなければSFCはLITEだ。本人は有効なプラチナ資格に基づく優待を受けられるが、別の資格を持たない家族会員のSFCはLITEのままである。
一方、SFC取得後に搭乗を増やさなくても、年間300万円の決済条件を満たせば、本人も家族もPLUSとなり、スターアライアンス・ゴールド資格を持てるように設計している。つまり、SFC取得後は、追加の「マイル修行」をするより「カード修行」をするほうが、よりメリットが大きくなるように設計したともいえる。
少なくとも家族が単独で旅行するときの資格という点では、プラチナ維持のために追加搭乗するより、日常の支払いを集約するほうが効果的になる場面を作った。これは、本人に同行してラウンジを使えるかという話とは別である。
経営学的には、顧客を見る単位を、搭乗する個人から日常消費を共有する家族へ広げた設計と解釈できる。本人だけでなく家族にも還元することで、世帯全体の支払いをANAの提携カードにまとめる動機をつくる。家計の支出を新たに増やすのではなく、他のカードに分散していた支払いを集約することで、条件達成を目指せる世帯もあるだろう。
飛行機に乗れる機会には限りがある。しかし日常の支払いなら、旅行のない月にも関係を続けられる。SFC取得後の継続的な優待について、搭乗以外にも貢献の道を設けることには合理性がある。ただし、既存会員には新たな条件が追加となる点は忘れてはならない。
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