DX推進のように、従来の枠組みを大きく変えるプロジェクトでは、全体方針と現場の実態が一致せず、進捗が滞るケースが多く見られる。こうした問題は自治体に限らず、民間企業にも共通している。一体、取り組みが進まない要因はどこにあるのだろうか。
当社は、創業から20年以上、民間企業や自治体に対して組織変革コンサルティングサービスを提供している。一貫して伝えているのは「どんなに優れた戦略やITシステムを導入しても、エンゲージメントが低ければ成果にはつながらない」ということだ。
エンゲージメントとは、組織と従業員・職員の間にある相互理解や共感の度合いを示す指標である。エンゲージメントが低い状態、つまり組織への共感度合いが低い状態では、精緻な戦略を描いたり、最新のツールを導入したりといった「投資」をしても現場が動いてくれず、なかなか変革が進まない。どれだけ採用や人材育成に投資をしていても、エンゲージメントが低ければ、従業員は前向きに業務に取り組めない。結果として、投資に見合った「リターン」は期待できなくなる。
当社の調査では、自治体のエンゲージメントは民間企業より低い傾向にあることが明らかになっている。自治体がDX推進を実効性のあるものにするためには、まずはそれを支える土台づくり、つまり、エンゲージメントの向上から始めなければいけない。
エンゲージメントが低い状態では、職員の退職リスクが高まり、方針に沿った行動も生まれにくい。こうした認識は海外ではすでに一般的であり、公務員のエンゲージメントについても、英国では10年以上前から議論が進んでいる。一方、日本ではその重要性が十分に浸透しておらず、いまだ意識づけの段階にとどまっているのが現状だ。
NTT「IOWN構想」に世界が動き出した 成否を握る“ブレークスルー技術”とは?
欧州家電市場から脱落する日本メーカー──主役は韓国・中国製に
ソニー平井元CEOが語る「リーダーの心得5カ条」 若くして昇進した人は要注意
孫正義の「AI革命構想」と経営者へのメッセージ 日本企業に“最後のチャンス”
メドレー社長に聞く「根回し不要」「ハイパフォーマーを集め、生かす」組織の作り方
「日本なくしてNVIDIAはなかった」 フアンCEOが語った真意は?
NVIDIAフアンCEOが「1on1」をしない理由 “階層なき”組織運営は機能する?
ChatGPT創業者が慶大生に明かした「ブレイクスルーの起こし方」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング