ではどのくらい立体に撮れるのか、立体写真を見てみよう。
以下に掲載するのは、MPOファイルから左右それぞれの写真を取り出し、QVGAサイズに縮小して左右に並べたもの。「平行法」の配置になっているので、平行法による裸眼立体視ができる人はぜひ挑戦を。
この記事を読んでいるディスプレイの解像度によっては立体視しづらい可能性がある。写真の中心間の距離が目の幅より広いとやや難度が上がるのだ。その場合は画面に定規をあてて、左右の写真の距離が6〜7センチになるよう画像を縮小してから見るといい。慣れない人は中央に紙を立てて左目には左の、右目には右の写真しか見えないようにするといい。
今回の「FinePix REAL 3D W1」は先駆者的存在。3D写真や3D映像を誰でも簡単に楽しめる時代への礎だ。今のところ、視聴環境が限られるのが難点だが、今後、この方式の3D表示が普及していけばもっといろんな環境で見られるようになるだろうし、3D対応ディスプレイの技術が上がれば、もっと大きな画面で気軽に楽しめるようになるはずで、将来を見越したカメラなんだろう。
残念なのは、Web上で立体写真を公開するのが難しいこと。写真が立体に飛び出てくる楽しさを口で伝えるのは難しいのだ。富士フイルムとしては、むしろ「新しい3D写真&映像の楽しみ方」を優先し、旧来の「ステレオ写真」とは違うものにしたかったのかなと思う。
今のところ、本体の液晶モニター、3D表示対応のディスプレイ(V1など)、立体プリント(FUJIFILM 3Dプリント)のいずれかでないと立体を楽しめない。
古くからの立体写真好きとしては、旧来のステレオ写真表示など、さまざまな立体写真表現に対応して欲しかったのだが、そこはオンラインアプリに頼るしかないか。もうひとつ、MPOファイルを展開できる付属のアプリケーション(FinePixViewer)が、重くて反応が鈍いこと。ここは改善して欲しい点だ。
とはいえ、3D写真は楽しい。何気ないカットが立体に浮き上がって見えるのは、しかも特にコツや道具もなく見えるのは実に楽しい体験なので、今から将来に備えて立体写真や立体動画のデータを貯めていくのだって感じで買ってみてもいいかも。撮ったものをその場ですぐ立体で楽しめるのはなかなか不思議な体験だ。
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