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写真を“使う”人に最適な「フォト蔵」オンラインフォトストレージ探訪

» 2010年04月06日 11時26分 公開
[小山安博,ITmedia]

 デジカメで写真を撮って「あとで見せるね!」はよく耳にするセリフですが、ついつい撮りっぱなしで画像はカメラの中、あるいはPCに移してそのままだったりすることも多いもの。せっかく撮った写真なのだから、写っているみんなで楽しみたい。そんなあなたのお役に立ちたい「オンラインフォトストレージ探訪」です。


 ウノウが運営する「フォト蔵」の最大の特徴は、保存できる画像や動画の点数が無制限ということ。アップする画像や動画の点数を気にせず利用できる。

photo フォト蔵のトップページ

 その機能はデジカメ画像を保存するだけではない。元来が「写真SNS」なので、画像付き日記の作成や会員同士の友だち機能、特定ジャンルの画像をテーマにユーザー同士でコミュニケーションを取るコミュニティ機能といった、SNSサービスも充実している。

価格無料&枚数無制限

 1アカウントあたりの保存できる動画像の本数について上限はないが、アップロードについては1カ月あたり1Gバイトの容量制限が設けられている。これは月単位でカウントされるため、1年間利用し続ければ1年間で合計12Gバイトまでのファイルをアップロードできることになる。

 サービスは無料で利用可能。アップロードした画像にコメントが付けられたり、写真がお気に入りに追加されたり、人を紹介したりすると「フォト蔵ポイント」が加算され、1カ月に40ポイント以上たまると、その月の転送量が3Gバイトまで増加する。ただし、毎月ポイントはリセットされる。

 アップロードできるのはJPEG/GIF/PNGの画像ファイル、WMV/AVI/MPEG/FLV/MP4/3GP/3GPP2の各動画ファイルのアップロードをサポートする。1ファイルあたりのファイルサイズは、画像で10Mバイトまで、動画は100Mバイト/20分までだ。

複数枚アップロードにはアプリが便利

photo Windowsアプリケーション「貼る蔵」。この状態で「投稿」ボタンを押せばアップロードされる。アプリケーションの動作環境はWindows 2000 SP4以降/XP SP1以降/Vista/7(.NET Framework 2.0以降が動作する環境)

 アップロード方法は、Webブラウザ、Windowsアプリケーション「貼る蔵」、Picasaプラグイン、iPhoneアプリケーション「貼る蔵 for iPhone 」、携帯メール添付という5種類。また、無線LAN内蔵SDメモリーカード「Eye-Fi」から直接アップロードすることもできる。Webブラウザからのアップロードは1つ1つ、画像や動画を指定してアップロードする必要があり、点数が多い際には手間がかかるが、各種アプリやPicasaプラグインを使えば複数枚をまとめてアップロードできる。

 Windowsアプリ「貼る蔵」の機能は最小限で、アップロードしたい画像を選択した後に、収納先となるアルバムを選択して「投稿」ボタンを押すだけ。必要ならタグを設定したり、画像の回転をしたりといった作業もできるが、基本的には複数の画像を素早くアップロードするためのツール。その分、手早くアップロードが可能だ。

 アップロードした動画像は、アルバムとしてまとめられる。アルバムは名前や説明文、並び順、クリエイティブ・コモンズのライセンスといった設定が行え、それぞれ、いつでも変更可能だ。

 アルバムごとに、誰に公開するかを設定することもできる。インターネット全体/フォト蔵会員のみ/友だち全体/選択した友だちのみ/公開しないという5種類の公開方法が選択できる。「友だち」は、フォト蔵会員である必要があるが、フォト蔵を使っていない人にも、30日間有効の公開専用URLを発行してアルバムを閲覧させることができる。

photo アルバム設定の変更画面。公開範囲をきめ細かく設定できる

公開範囲は細かく設定可能

 アップロードされた画像は、サムネイルのほか、90×120ピクセルの「極小」サイズから「元画像」までの複数のサイズを切り替えて閲覧できる。欲しいサイズの画像を表示してダウンロードリンクをクリックするとPCに保存できる。動画はアップロード後にFlashファイルに変換されれば、Webブラウザ上で再生が可能になる。動画のダウンロードは現時点ではできないようだ。携帯電話からの閲覧もサポートしているが、動画再生は行えないほか、iPhoneなどスマートフォン専用サイトも用意されていない。

photophoto サムネイル表示画面(写真=左)と1枚表示(写真=右)。画像サイズを簡単に変更できる

 画像のEXIFに位置情報が記録されていれば、自動的に地図上に画像を表示してくれるほか、自分で地図の任意の位置へ画像を張り付けることもできる。動画に関しても地図上に張り付けられる。閲覧した人からのコメント、ブログへの画像張り付け、プリントサービスを使った印刷も可能だ。

 アップした動画像を「インターネット全体に公開」する設定にしておけば、ブログなどへはり付けることもできる。これは画像1枚、動画1本だけではなく、アルバムそのものをはり付けるといった使い方もできる。

写真を“使う”人に最適なサービス

 フォト蔵の最大のメリットは、保存できる動画像の容量が無制限という点だ。静止画も動画も多くのフォーマットに対応しており、ブログへの引用も簡単。公開範囲もきめ細かく、簡単に設定できるので、たくさんの動画像を保存しつつ、いろいろな人と共有するといった用途に適している。

 その反面、転送量が1カ月あたり1Gバイトであることには注意が必要。デジタル一眼レフでは設定次第ではあるが1枚の画像が10Mバイトに達することもある。気をつけないとすぐに転送上限に引っかかってしまいそうだ。とはいえ、1年で考えれば12Gバイトの動画像がアップロードできる。撮影したデータをなんでも放り込む、ではなく、日々のスナップと、たまのイベント画像を保存という使い方ならば、容量が十分な場合も多いだろう。

 コミュニティ機能も充実しており、動画像を単に保存するだけでなく、ブログや日記、コミュニケーションで活用したいユーザーにおすすめしたいサービスだ。

名称 フォト蔵
価格 無料
容量 無制限(月間転送制限1Gバイト)
対応フォーマット 静止画:JPEG/GIF/PNG、動画:WMV/AVI/MPEG/FLV/MP4/3GP/3GPP2
公開範囲設定 インターネット全体/フォト蔵会員のみ/友だち全体/選択した友だちのみ/公開しない
専用アプリケーション Windows用/iPhone用/Picasaプラグイン
携帯/スマートフォン対応 閲覧/アップロード対応、スマートフォン専用サイトなし

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