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10倍ズーム搭載の高感度万能選手――キヤノン「IXY 50S」(3/4 ページ)

» 2010年09月22日 09時26分 公開
[小山安博,ITmedia]
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楽しい動画撮影機能

 動画撮影機能では、1920×1080ピクセルのフルHD動画撮影が可能だ。映像コーデックはMPEG-4/H.264、音声はリニアPCMの.MOVファイルで、フレームレートは24fps。1回の撮影で最大4Gバイト、または1時間までの連続撮影ができる。前部のレンズ右側にステレオマイクを配置している。

photo レンズ脇にある小さな2つの穴がステレオマイク

 動画撮影時にもカメラがシーンを自動判別して最適な設定を行う「こだわりムービー」機能を搭載。人物や明るさ、青空、スポットライトといった21のシーンを自動で識別して、動画撮影中でも動的に設定が変更される。動画撮影中の光学ズームも可能で、動画撮影中にはデジタルズームも動作する。一般的な撮影であればAFの追従速度も実用的なレベルに達している。

 静止画撮影中に動画ボタンを押すといつでも撮影が開始できる。その時の設定は、動画モードで設定したものが採用されるので、あらかじめモードスイッチを動画にして設定しておくといいだろう。ただ、静止画撮影中のホワイトバランスの設定はそのまま引き継がれる。

 動画モードに切り替えると、撮影解像度やホワイトバランスなどの設定が変更できるほか、特殊な動画撮影も行える。用意されているのは「ハイスピード動画」「ジオラマ風動画」「ワンポイントカラー」「スイッチカラー」の4種類。

photophoto ファンクションメニューから各動画モードを変更できる(写真=左)、ジオラマ風動画の設定画面。撮影時にメニューボタン長押しでピント位置を変更することができる(写真=右)

 ハイスピード動画は、秒間240コマで撮影して、それを秒間30フレームで再生することにより、動きをスローモーションとして再生できる。高速に動く被写体をゆっくりとした動画で再生できて面白い。ただし、記録解像度は320×240ピクセル、最大30秒間まで制限されるほか、音声は記録されない。

 ジオラマ風動画は、画面の一部にだけピントを合わせてほかをぼかすことで、ミニチュアを撮影したような錯覚を与えるというもので、特に遠景を撮影したときに効果が高い。面白いのは、ピント位置が縦横で自由に選択でき、位置を変えることでより適切なジオラマ風動画を撮れること。また、撮影時に再生速度を5倍、10倍、20倍の3種類から選択でき、人などの動く被写体が素早く動いて、よりジオラマを撮っている感じになる。

photo 側面にはHDMI端子も備えており、記録したフルHD動画をテレビに出力することもできる

 いずれも不思議な感覚を与えてくれる動画で、動画撮影が楽しくなる。普段は静止画撮影中に動画ボタンを押すだけでフルHD動画を撮影できるが、動画モードに切り替えての動画撮影も楽しめる。

 なお、モード切替スイッチで動画モードに切り替えていても、シャッターボタンで静止画を撮影できる。静止画モード、動画モードいずれの状態でもとっさの判断で動画・静止画切り替えて撮影できるように配慮されている。

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