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今日から始める単焦点レンズ(3)――3本の個性派レンズを使うデジイチ初心者応援(2/3 ページ)

» 2011年06月17日 08時30分 公開
[mi2_303,ITmedia]

ボケを楽しみたい ニコン「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」

 F1.4という明るいレンズは各社から用意されており、なおかつ、それぞれの特色が出た面白いレンズが多いように思います。例えば「85mm F1.4」(キヤノンは「85mm F1.2」ですが)は古くからありますが、モデルチェンジを経て高画質化が図られるメーカーの単焦点レンズの顔としての役割を担っています。広角側のレンズでも、24ミリや35ミリなどにF1.4というレンズがあります。

photo ニコン「D5100」と「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」

 これらのレンズは、明るいレンズのための光学設計そして高画質を実現していますが、値段が数10万円もする高級レンズとなります。その点「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」はF1.4という明るさながら、比較的購入しやすい価格であるところが魅力です。APS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラに装着すると35ミリ換算で約75ミリとなり、ポートレートレンズの定番と呼ばれる85ミリより少し近づいた距離で、ほどよい距離感で被写体と会話しながら撮影できる新世代のポートレートレンズであるとも言えます。

 ペンタックスには、85ミリに近い35ミリ換算84ミリ相当となる「DA★55mmF1.4 SDM」という高画質レンズがありますので、用途に合わせてレンズを選びたいところです。

 ここからは「AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G」をポートレート撮影に用いた例を紹介します。

photo 絞り開放で撮影すると、全体的に柔らかい描写となります。風景写真では甘いと思う描写も、人物撮影なら長所となります
photo 人物撮影でもポジションやアングルを変えて撮影しましょう。1枚目の写真では立っているのか座っているのか分かりませんが、カメラを縦に構えることで座っている様子を写し、1枚目より距離感が分かるようにしてみました
photo 絞りF1.4、背景が完全に溶けているような印象です。人物メインとするならばこれでいいかもしれませんが、どこで撮ったのかが分からなくなってしまうので、状況を演出したい場合は、絞りをコントロールする必要がありますね
photo 絞りをF4.0に。背景の雰囲気を残しつつ人物が浮き出して見えますね。F5.6やF8になると背景の輪郭がはっきりしてくるので、被写体と背景の関連性を考えて絞りを設定するといいでしょう

 ボケを作るためには、被写体と背景の距離をあける必要があります。背景とボケの関係についてはこちら(デジイチ初心者応援:単焦点レンズでプロのようなボケ味を手に入れる)の記事をご覧ください。

 背景との距離を大きく取れれば、上記のような柔らかいボケのある写真を撮影することができます。友達や家族の写真をこの様にして撮影すると喜ばれますので、試してみてください。

photo 少し収差のある柔らかい描写がポートレートレンズの長所となります。キットレンズにはない解像感、線の細さが特徴です。 F1.8 1/2000秒 ISO100 露出補正+0.7
photo 被写体以外に、点光源の丸いボケを演出として使いました。木の葉の間以外に、水面の反射でも点光源ボケを作れますので、ただ水辺を撮るのではなく、点光源を演出として使いましょう。 F1.4 1/160秒 ISO100 露出補正+0.7
photo 35ミリ換算75ミリ相当ともなると、パースがあまり付かず一部分を切り出しただけの平凡な写真となってしまいがち。手前の建物を左下に入れてみましたが、それでも平凡な写真で終わってしまいました F8 1/100秒 ISO100 露出補正+0.7
photo このようなボケを使った作画は50mm F1.4レンズの真骨頂です。まずは、絞り開放で撮影しながら少しずつ慣れてゆき、効果的な絞り値を見つけていきましょう F1.4 1/500秒 ISO100

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