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「マルチレック」が楽しい、12.5倍ズーム機「OLYMPUS SH-25MR」(2/3 ページ)

» 2012年04月17日 16時00分 公開
[ITmedia]
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 撮影モードとしてはそのほか、フルオートの「iAUTO」、プログラムオート、シーンモード、マスカラやグロスなどのメイクをしてくれる「ビューティー」、パノラマ、マジックフィルター、静止画を撮影すると、撮影直前の7秒(最大)と撮影後の3秒(最大)を動画で残す「回想フォト」がモードダイヤルに用意されている。

 各撮影モードでは「OK」ボタンを押すと、画面右へ縦に並ぶ各種アイコンがそのままメニューに切り替わる。タッチパネル液晶搭載機だが、設定操作に画面をあちこち触る必要はなく、設定は十時キー&OKボタン、AFポイントの任意設定にはタッチパネルという、操作体系のすみ分けがなされている(ライブガイドなど一部は画面タッチでも操作できるので、このすみ分けは厳格なものではない)。操作に不慣れなうちは画面タッチで設定操作でも構わないと思うが、慣れればボタンの方が素早く操作できるので、このすみ分けには賛同したい。

photophoto 3型/46万画素のタッチパネル液晶を搭載するが、撮影設定は基本として十時キーとボタンの組み合わせで行う。十時キーの部分はロータリーダイヤルでもよかったか

 撮像素子は1/2.3型 有効1600万画素の裏面照射型CMOSセンサー。プログラムオートならばISO感度はISO6400まで上げることができ、ISOオートについても、通常のオートのほか、ISO感度を高めにしてシャッタースピードを速めに維持し、手ブレ/被写体ブレを抑制する「ISO HIGH」も選択できる。高速なCMOSセンサーとデュアル構成のTrue Pic Vを生かした、HDR撮影機能も有している。

 SZ-30MRになかった機能としては、GPS機能の搭載が挙げられる。撮影データにジオタグを付加するほか、ランドマーク情報も内蔵しており、撮影時に近隣のランドマークや緯度経度を確認することもできる。GPSロガーとしての利用も可能だが、本体に地図は搭載していないため、LUMIX「DMC-TZ30」のように背面液晶で、地図へ写真をオーバーレイ表示させることはできない。

photo Lightroom 4でジオタグ付きのデータを地図にオーバーレイ表示

 A-GPSにも対応しており、ロガー機能をONにしておけば測位はそれなりに高速。ただ、ロガー機能をONにすればその分だけバッテリー消費も早くなるので、そのあたりはトレードオフとなりそうだ。付属バッテリーは「LI-50B」で、GPSロガーをONにしたままだと、およそ2日間(撮影枚数は100枚程度)でバッテリー残量がほぼゼロになった。CIPA準拠値での撮影枚数は約240枚だが、旅行などで頻繁に電源のON/OFFを繰り返し、静止画と動画を撮り続けるとなると、予備バッテリーを持ち歩く方が安心という感覚だ。


 「ブラケット撮影」という撮影機能がある。狭義には1回のシャッターで露出を変えた複数枚の写真を撮る露出ブラケットを指すが、本来はある値を変動させながら撮影することを指し、本製品のMR機能も広義のブラケット撮影に含まれるだろう。せっかくの“デジタル”カメラなのだから、「1回のシャッターでどれだけ楽しめるか」を追求した本製品の取り組みは高く評価したい。

 同社マイクロフォーサーズ機「OLYMPUS OM-D E-M5」などには、ワンシャッターでアートフィルターのみならず、各種のピクチャーモードまで一気に撮影・保存してくれる「アートフィルターブラケット」がある(→長期試用リポート:「OLYMPUS OM-D E-M5」第3回――AF速度、高感度画質をチェックする)。コンパクトデジカメでも、オリジナル+1枚といわず、これぐらいババっとワンシャッターで撮影して、良さそうなものだけ選択して残すぐらいのことをしてもいいように思える。

 もっとも、バッテリー消費も問題になるだろうし、いたずらに撮影枚数だけを増やすのもどうかという気がしなくもないのだが、引きも寄りも、フィルターの有無も、動画・静止画のサイズもあとから決められるという自由度は使ってみると非常にありがたい。撮影者はシャッターチャンスだけに集中すれば良いわけで、オリンパスには「1回のシャッターでどれだけ楽しめるか」という要素を次の製品にもぜひ、大きく取り入れてほしい。

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