前回はアプリの導入についてだったが、今回は昨年末より提供開始されたアプリ「タイムラプス」を試用してみよう。タイムラプス(Timelapse)は微速度撮影ともよばれるもので、一定間隔で撮影した静止画をパラパラ漫画のように連続して表示する(大量の静止画を1本の動画にする)ことで動画のように見せる。
インターバル撮影機能のあるカメラで何枚も写真を撮影すれば素材をそろえることはできるが、「被写体や状況に合わせ、どのくらいの間隔で何枚撮るか」にはノウハウが必要で、気軽に撮れるものではなかった。それがこのアプリを使えば手軽に撮れる(ニコン「D600」にもタイムラプス撮影機能がある)。
撮り方は簡単で、アプリを起動してテーマ(スタンダード、ミニチュア、夜明け、夕暮れ、夜景、星空、雲)を選び撮影を開始するだけ。撮影時にカメラが動くときれいに連続した動画にはならないので、小さくても良いので三脚は欠かせない。露出モードは基本的にオートになるが、テーマ「カスタム」を選べばP/A/S/Mの各撮影モードでのタイムラプス撮影も行える。
テーマ選択時には、撮影間隔や必要な撮影時間も表示される(フレーム数やシャッター間隔、撮影枚数、作成される動画の秒数は変更も可能)。特に撮影時間についてはカウントダウンされるので、撮影終了までの時間が分かるのは(特に夜明けや夕暮れ、星空など長時間にわたる撮影となる際には)ありがたい。なお、撮影後に生成される動画の長さはテーマに関係なく10秒となる。
テーマ名称 | フレーム数 | セルフタイマー | 撮影間隔 | 撮影枚数 | 必要撮影時間 |
---|---|---|---|---|---|
スタンダード | 24p | 2秒 | 1秒 | 240枚 | 4分 |
ミニチュア | 24p | 2秒 | 2秒 | 240枚 | 8分 |
夜明け | 24p | 2秒 | 10秒 | 240枚 | 40分 |
夕暮れ | 24p | 2秒 | 10秒 | 240枚 | 40分 |
夜景 | 24p | 2秒 | 3秒 | 240枚 | 12分 |
星空 | 24p | 2秒 | 30秒 | 240枚 | 2時間 |
雲 | 24p | 2秒 | 5秒 | 240枚 | 20分 |
※上の数値はすべて標準設定時
テーマ選択後に調整できるタイムラプス関連以外の撮影設定はさほど多くなく、フォーカスモード、AFエリア、露出補正しか調整できない。「ポップカラー」「トイカメラ」といったピクチャーエフェクトぐらいは適用したいと感じる。テーマ「ミニチュア」にはあらかじめピクチャーエフェクト「ミニチュア:中(横)」が適用されてるので、原理的にはできそうなものだが……。
作成された動画は、フルハイビジョンのMotionJPEG形式(拡張子は.AVI)で、メモリカードの\PRIVATE\SONY\APP_TLPS\以下に保存される。なお、カメラで再生するときにには再生ボタンからではなく、アプリから再生する。これはカメラ本体がMotionJPEG形式の動画再生に対応していないためだ。
1本の動画を作成するために200回以上シャッターを切るため、電池の消費は激しい。フル充電の状態から設定「スタンダード」で3本のタイムラプス動画を撮っただけで、残量は約2/3まで低下した。2時間の撮影時間を必要とする「星空」ではさらに消費が激しく、1回の撮影で8割近くのバッテリーを消費したこともあった。バッテリーのコンディションや外気温など外的要因に大きく左右される問題ではあるが、そもそもNEX-5Rの撮影可能枚数はあまり多い方ではない(CIPA基準で約330枚)、撮影前のバッテリー残量確認は忘れずにいたい。
タイムラプスは時間を短縮してみせるという性質上、「長時間にわたってゆっくり変化するもの」や「絶え間なく動いているもの」との相性がいい。前者であれば雲や星空、後者であれば交通量の多い交差点などだ。チョウやセミの羽化などを記録するにも向いている撮影方法といえる。
本来の使い方ではないが、「インターバル撮影した静止画をつなげて動画にする」という部分に着目すればクレイアニメのような映像を作ることも可能になる。撮影間隔の調整は1〜60秒の間隔で行えるものの、ゼロ秒にしてポーズをつけるごとにシャッターを押す設定はできないので、せわしない撮影にはなるが、アイディア次第で面白い映像を手軽に撮れそうだ。
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