スマートフォンのカメラ機能に押されるコンパクトデジカメが生き残る方法は何か。一昨年ほど前から言われてきたテーマだが、新製品が一堂に会するCP+を見ると昨年はスマートフォン連携」を挙げるメーカーが多かったが、今年はスマホ連係機能は当然として、「高倍率ズームレンズ」「高級機」「タフネス」の3通りを、コンパクトデジカメの方向性として各社が指向していた。
「高級機」はカメラとしての存在感そして絶対的な画質を求める人向けに、「タフネス」はアウトドアシーンでの利用を想定する人向けと考えると、最も汎用性が高い製品として位置づけられるのが「高倍率ズーム」の製品だろう。ソニーの10倍ズーム搭載サイバーショット「DSC-WX200」もそのカテゴリに位置づけられる。
DSC-WX200のレンズは35ミリ換算25〜250ミリ相当の光学10倍ズームで、超解像ズームの併用で500ミリ相当までの望遠撮影が行える。手ブレ補正は光学式で、ユニットの改良などによって既存製品「DSC-WX100」に比べると約4倍となるシャッタースピード約4.5段分の補正効果を持つ。
10倍ズームという言葉だけを取り出してしまうと、他社製品に比べて突出している数値ではないものの、最薄部17.5ミリ(92.3×52.4×21.6 幅×高さ×奥行き ミリ)/約121グラム(撮影時重量)のボディに10倍ズームが搭載されていると思うと、なにやら技術の進歩に感慨深いものがある。
小さく軽いボディに高倍率ズームレンズといえば手ブレの危険性が高まる要素しかないが、意外なほどに手ブレは起こらない。さすがにテレ端の状態から右手一本でシャッターを切ると手ブレする回数が多いがそれでも毎回でもなく、また、両手で構えれば手ブレの回数は思いのほか少ない。かなりラフに撮っても大丈夫という印象だ。
ただ、構えた際、親指がかかる部分に静止画/パノラマ/動画の切り替えスイッチがあるので右手だけでの撮影はちょっとやりにくい(背面を親指で支えにくいのだ)。このスイッチがあるおかげでパノラマ撮影をラクに楽しめるのだが、録画開始のボタンは「MOVIE」として独立しているのだがら、この切り替えスイッチはなくても良かったかも……という気もする。
撮像素子は有効1820万画素の1/2.3型 "Exmor R" CMOSセンサーで、必要に応じて連写合成も自動で行うオート撮影モード「プレミアムおまかせオート」などは基本となる撮影機能は相変わらず優秀だ。連写もメカシャッターによるフル画素の連写が10コマ/秒で行える。連写はコントロールホイールの左キーから選択できるが、撮影モード「プレミアムおまかせオート」時のみは選択できないので、連写が必要なシーンでは「おまかせオート」(連写合成が行われない)あるいはプログラムオートにしておこう。
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