ITmedia NEWS >

旅行や日常に、スマホ連携搭載の厚さ17.5ミリ 10倍ズーム機「DSC-WX200」(2/2 ページ)

» 2013年02月06日 19時09分 公開
[佐藤眞宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       
photo コントロールホイールの回転が、撮影モード切り替えに割り当てられているが、「MENU」キーから表示するメインメニューからの切り替えも可能

 背面に設けられている操作インタフェースはオート撮影を念頭としたもので、前述した静止画/パノラマ/動画の切り替えスイッチのほか、録画ボタン、メニュー/ヘルプボタン、再生ボタン、コントロールホイールが用意される。コントロールホイールには表示切り替え、ストロボ、セルフタイマー、連写の各機能が割り当てられている。

 露出補正やホワイトバランスの調整も可能だが、その調整にはメニューをたどる必要があり、素早いアクセスができるとは言いにくい。基本的には構図とシャッターチャンス以外に気を配る必要のない、フルオートで撮るカメラと考えるべきだ。ただ、コントロールホイールの回転が静止画撮影モードの切り換えに割り当てられているので、意図しないタイミングで撮影モードが切りかわってしまうことがあったのは気になった。

 デジタルフィルター「ピクチャーエフェクト」は、絵画調HDR、リッチトーンモノクロ、ミニチュア、トイカメラ、ポップカラー、パートカラー、ソフトハイキー、水彩画調、イラスト調と9種類が用意されており、何種類かはパノラマ撮影と動画にも適用できる。エフェクト+パノラマは意外に実装している製品が少ないので、ちょっと面白い効果を期待できる。

 各エフェクトの効果としては同社ミラーレスカメラ「NEX」シリーズに近い印象。しかし、NEXシリーズではエフェクトの適用をリアルタイムのライブビューで確認できたが、本製品ではメニューで効果を選択した後、撮影画面に戻らないと、どのような効果が得られるか分からない。ここは改善してもらいたいところだ。撮影後の再生画面からもエフェクトは適用できるが、前述の9種類のなかでは「水彩画調」「イラスト調」の2種類しか選択できない。

 今春のコンパクトデジカメではかなりの製品が備えている、Wi-Fi機能も搭載する。本製品ができることは(1)パソコンへの転送、(2)スマートフォンへの転送、(3)スマートフォンをリモコン代わりにする、(4)テレビで鑑賞するの4つ。

 (1)のパソコンへの転送は対応ソフト「PlayMemoris Home」(Windows)あるいは「Wireless Auto Import」(Mac OS)のインストールを必要とするが、ワイヤレスでルータ経由にてパソコンへ画像を取り込める。接続は一般的なWi-Fi機器と同様で、SSIDとパスワードを手動で入力してもよいし、WPS対応のルータなどがあればWPSボタンで接続できる。なお、初回設定時のみ有線(USBケーブル)を使っての設定が必要となる。

photo 「PlayMemoris Home」がインストールされたパソコンへワイヤレス転送中。左の「カメラとメディア」欄に本製品が表示されていないのに、画像転送が行われているところに注目

 (2)ではスマートフォンアプリ「PlayMemoris Mobile」(iOS/Android)が必要になる。アプリをインストールした後に再生画面から「MENU」「スマートフォン転送」を選ぶとカメラがWi-Fiのアクセスポイント(AP)になるので、そのAPにスマートフォンを接続する。AndroidならばPlayMemoris Mobilを起動すれば、ほかのAPに接続していても自動的にカメラのAPへ接続してくれるが、iOSの場合は「設定」からWi-Fi接続先をカメラのAPに切り替えた後にPlayMemoris Mobilを起動する。

photo スマートフォンからカメラのメモリカードをサムネイルでチェック、任意の画像だけを転送できる

 「設定」を呼び出す分だけiOSの方が一手間かかるが、「再生ボタンで再生開始。撮った写真を見ながらスマホへ送る写真を選び、転送作業をする」という操作フローであるため、操作に迷いを感じることはないだろう。写真の選択をカメラの背面液晶もしくはスマホアプリのいずれでから行えるというのもポイントだ。

 (3)のスマートフォンをリモコン代わりにするは、カメラを撮影状態にしてから「MENU」の「スマートフォン操作」を選ぶ。接続自体は画像転送時と同じやり方だ。スマートフォンからはシャッター操作のほかズームイン/アウト、それに静止画/動画撮影の切り替えも行える。なお、撮影した画像は自動的にリサイズさせてスマートフォンのアルバム(カメラロール)に保存させることもできる。

photophoto カメラが写し出している画像を、スマートフォンの画面でリアルタイムに確認できる。セルフタイマー機能もある

 スマートフォン連携については述べたようにシンプルな使い方に絞られており、カメラから直接、公衆無線LANに接続してSNSや各種クラウドサービスへ画像をアップロードするといったことはできない。同社製ミラーレスカメラ「NEX-5R」などではSNSやクラウドへのアップロードまでも可能だが、高機能化は煩雑さと紙一重だ。WX200は機能を限定することで、使いやすさを高めるアプローチが取られているといえる。


 WX200を試用してみると、昨年発売のヒットモデル「DSC-WX100」をベースに手ブレ補正機能の強化、スマートフォン連携機能の搭載と順当な進化を遂げていると感じる。αやNEXといったレンズ交換式、あるいはRX100など高画質指向のコンパクトデジカメに比べると画質面で差があることは認めざるを得ないが、スマートフォンと同時に持ち歩いても負担にならない光学10倍ズーム機としては手堅い作りであり、荷物を減らしたい旅行や日常の記録用としては最適な1台ではないかと思える。

photo 夜でも街灯の多い新宿西口。プレミアムおまかせオートで連写合成が行われISO感度はISO2500に。F3.3 1/8秒 ISO2500
photo ピクチャーエフェクト「トイカメラ」
photo ピクチャーエフェクト「リッチトーンモノクロ」
iconicon
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.