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撮っても楽しい見ても楽しい、プロジェクター搭載 防水ハンディカム「HDR-GWP88V」(2/2 ページ)

» 2013年06月25日 00時04分 公開
[ITmedia]
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プロジェクターは最大100インチまで投影可能

 撮像素子を含めた光学系はGW77Vと同じで、操作系もズームレバーの形状以外はほぼ同じ。最大の違いとなるのはプロジェクターの搭載だ。搭載するプロジェクターの最大投影サイズは100型で、明るさは最大13ルーメン、パネル解像度は640×360ピクセル。距離と投影サイズの関係は、50センチで10インチ、1メートルで20インチ、2メートルで40インチ、3メートルで60インチ、5メートルで100インチとなる。

 明るさが13ルーメンと一般的なビジネス用モバイルプロジェクターよりも暗い(一例として、USBバスパワータイプながらパナソニックの名刺サイズモバイルプロジェクター「LF-PJ525H」は最大50ルーメンの明るさがある)ので、明るい室内での投影には不向き。解像度も640×360ピクセルと撮影したフルHD(1920×1080ピクセル)映像より荒いため解像感も乏しいが、“外出先で撮った映像をそのまま見る”という楽しさを味わえる。

photo 約50センチ先への投影例。投影サイズは約10インチだ。プロジェクターのフォーカスは手動設定。台形補正はないので、あまり仰角をつけての投影だと投影サイズが大きくなるほどゆがみが大きくなる

 プロジェクター機能のON/OFFは「PROJECTOR」ボタンを押すことで行えるが、試用機はボタンを強めに押し込まないとON/OFFが行えなかった。プロジェクター使用中にタッチパネルに触れるとプロジェクターがOFFになるため、プロジェクター使用中の操作(再生対象ファイルの選択など)はズームリングとセンターボタンで行うのだが、投影に適した位置や角度を決めた後に本体ボタンを操作すると、たいてい、投影の像に影響が出る。プロジェクター操作用のリモコン、あるいはWiFi対応にしてスマホからの操作などの手段が欲しい。

 本体下部には折り畳み式のスタンドを内蔵しており、本体を自立させてプロジェクターの投影を行える。スタンドそのものの作りは単純なものだが、これはよいアイディア。三脚を持ち歩かなくても済む。

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 再生については単純に撮影ファイルを再生するだけではなく、GPSの搭載によって「撮影地ごと」や、カメラが自動的にイベントのハイライトをBGM付きで編集してくれる「ハイライト再生」など、メリハリのある再生を手間いらずで楽しめる。特にこのハイライト再生は秀逸で、何気なく撮った複数の映像を1つの映像として短くダイジェスト映像として編集してくれるので、撮りっぱなしで死蔵してしまう可能性が下がる。また、記録画質はSDに下がってしまうが、ハイライト再生をPC経由でDVDに保存することもできる。

 なお、本製品は外部入力端子は備えておらず、プロジェクター投影できるのは本製品で撮影したファイルのみという制約がある。USBでPCと接続した状態で、内蔵メモリにPCから他のハンディカムで撮影した.MTSファイルをコピーしてみたところ、コピーそのものは行えたが、再生ファイルの一覧には表れなかった。


 シーンセレクトなどの機能はあるもののビデオカメラとしてはほぼフルオートで、凝った撮影設定はほぼできないと思っていいが、フルオートの撮影機能は“ハンディカム”の名に恥じず優秀だし、タフネス性能を備えていることもあり、撮るときに気を使わなくていい。ハイライト再生機能もあるので、撮影後にも手間をかけずに楽しめる。

 そしてなによりプロジェクターだ。撮影/再生機能に関していえば昨年に登場したGW77Vとほぼ同等だが、撮った映像をその場で大画面で楽しめるというのは何物にも替え難いメリットになる。プロジェクターの分だけ本体サイズが増しているのは仕方のないことだが、ファイルをPCに転送したりケーブルをテレビにつないだりしなくても、楽しめるのはその大きさというマイナスを上回るメリットになるはず。アウトドアのレジャーへ持って行くはもちろん、日常を撮って楽しむビデカメラとしても活躍する製品だ。

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