オリンパスならではのアートフィルターやフォトストーリー機能はあるものの、最近、多くのコンデジが採用している連写+合成系の機能(HDRや手持ち夜景など)はないし、超解像ズームもない。
仕上がりモードを「i-Finish」にすればシャドウ部を自動的にコントロールしてくれるし、トーンカーブを選ぶことでシャドウ部を持ち上げたりはできるが、明示的な暗部補正やダイナミックレンジ拡張機能はない。シーンモードも昔ながら非常にシンプルなものだ。
そのかわり、前述した様々な機能に加え、NDフィルタを内蔵していたり顔検出機能に「瞳優先」モードがあってきちんと目にピントを合わせてくれるなど基本的な撮影機能は充実している。さらに操作全体に軽快感があり、サクサクと撮れるのだ。
Wi-Fi機能は搭載しており、NFCこそないものの、QRコードを専用アプリで読み込ませることで、一番面倒な最初のセッティングを簡単に済ませるというアイデアもある。これだけ入って価格は約7万円。コンデジとしてはやや高めだが、レンズ性能や使い勝手の良さを考えれば納得できる。
カメラは1台で済ませたいけどできるだけ高性能で操作がシンプルでコンパクトなものがいいという人には最高によい。EVFのデキがいいので、ファインダーをのぞいて撮りたい人にお勧めできるし、液晶モニタを開いてハイアングルやローアングルを楽しこともできる。しっかり撮りたいときもラフに撮りたいときも対応してくれるのが素晴らしい点だ。しかも各種動作もAFも軽快でリズミカルにサクサクと撮れる。
くしくもズーム全域でF2.8で1インチセンサーのRX10と登場時期がかぶったが、両方を持ち歩いて見ると、重厚なRX10と軽快なSTYLUS 1という感じで、印象がずいぶん違う。
RX10の重厚さやがっしりした質感、1インチンセンサーのクオリティや24mm相当の広角も捨てがたいが、重さが約半分で軽快で気軽に300mm相当まで伸ばせるSTYLUS 1の方が日常的に使えそう。じっくり撮るならRX10、気軽に撮るならSTYLUS 1。個人的には携帯しやすいSTYLUS 1に魅力を感じるかな。
少なくとも1/1.7型センサー搭載デジカメの中では間違いなく最高峰であり、実はかなりスゴいカメラなんじゃないかと思う。正直、ちょっとした旅行や撮影ならこれ1台で済みそうだ。
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