1/15秒や1/30秒などのシャッタスピードを使うと、静止しているものは止まり、動いている被写体は作例のようにブレが出て躍動感や動きが表現されます。
手持ちで撮影できるギリギリのシャッタスピードでもあるので、手ブレしてしまう恐れもあり使いづらい面もありますが、いつもと違う表現方法の1つとして1/15秒などのシャッタースピードを試してみると、新しい発見があります。
車や電車など、夜間に光を発している被写体を1秒〜20秒といったスローシャッターで撮影すると、露光している間に被写体が動いた分だけ、ライトやテールランプが光の線の様に写り、目では見ることができない、カメラを通した写真ならではの情景を撮影することができます。もちろん、完全に手ブレするシャッタースピードですので、三脚でしっかりと固定する必要があります。
今回の作例では全体を暗めにし、光を目立たせるようにしていますが、全体を明るくしてキラキラした印象で写すこともできます。街中のイルミネーションが美しいクリスマスシーズンなどにも使えるテクニックの1つです。
海で波を撮影すると、波のざわついた部分や泡などもきっちりと写っており、迫力のある写真になっているかと思いますが、8秒くらいのスローシャッターを切ることで、静かな海を表現することもできます。
水面などに光る反射や海の質感の表現を変えることで、脱初心者の一歩となる写真に近づくきっかけになるかもしれません。
シャッタースピードを調節することで、目では捉えきれない、カメラならではの表現を比較的試しやすいモードになります。
スローシャッターを使って光の線を写し込んだり、ざわめきを消したりする以外にも、シャッターを切っている時間の中で一定時間静止してから動くことで、残像を撮影したりできます。
こういったカメラならではの効果を利用しながら、幻想的な写真に挑戦してみてはいかがでしょうか。
MAKOTO TSURUTA(つるた まこと)
元『週刊ゴング』カメラマン。スポーツで写真を学び、その後メーカー担当として首都圏量販店に常勤し、一眼レフカメラの販売を担当。現在Webプロモーションを得意とする活動の傍ら、写真をさらに楽しむコンテンツサイト「PHOTOWORK」http://photowork.jp/を運営中。個人サイトはhttp://one-cut.net/
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