もちろん、同社ではNotes/DominoからNotes/Dominoへの移行(バージョンアップ)も支援している。バージョン4から現行の6への移行が最も多く、そのほとんどはサーバ統合を実現させているという。
現行のバージョン6.0/6.5の目玉は、サーバのパフォーマンス向上や運用管理機能の強化によるTCOの削減だ。5.0と比較して、CPU使用率は25%低減され、NotesBench Mailのユーザー数は50%の向上が図られている。
澤田ロータス事業部長とともに基調講演に登場したNotes/Dominoの開発責任者である米IBMのケビン・キャバナー副社長は、「米国ではわれわれの予想を超える早いペースで6.0/6.5への移行が進んでいる」と話した。今年8月の時点で既に73%が移行を済ませたほか、13%が順調に移行を進めており、バージョン5以前はわずか14%に過ぎない。
サーバ統合によるTCO削減のほか、コラボレーションのための統合プラットフォームとしてユニファイドメッセージングやドキュメント管理といった関連製品を活用できる点も6.0/6.5への移行を促しているとキャバナー氏はみる。
「これまでバラバラだった領域がコラボレーションのための統合プラットフォームに収れんしてきている。これは今後の開発ロードマップの重要なテーマでもある」(キャバナー氏)
1989年にNotesのバージョン1が産声を上げて以来15年が過ぎたが、キャバナー氏は、最初の6カ月を除き、そのすべての歴史にかかわってきた。Notes/Dominoの将来に対するユーザーの不安を吹き飛ばすには彼ほどの適任はいない。
Notes/Domino 7.0でIBM Workplace Client Technologyに対応し、EclipseのフレームワークにNotesクライアントをプラグインできるようになるが、キャバナー氏は「それは高まりつつあるクライアント環境標準化への対応であり、インターネット標準への対応と同じだ」とキャバナー氏は話す。
「リプレースへの不安があるようだが、これまでの足跡を思い返してほしい。われわれはNotesの基本機能にインターネットの機能を追加してきた。J2EEやEclipseに対応することでさらにNotesの世界を拡げたいのだ」(キャバナー氏)
2007年第1四半期にリリースが予定されているNotes/Domino 8.0でNotesクライアントがWorkplace Client Technologyに完全対応を果たすが、「Notes/Dominoの開発はさらに続く」とキャバナー氏は約束した。
なお、2日目の基調講演では第一生命保険相互会社がNotes/Dominoシステムを6.0ベースにバージョンアップし、約2000台あったDominoサーバを30台に集約化した事例が紹介されるという。
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