Oracleは売り? 懐疑論が渦巻くPeopleSoft買収(3/3 ページ)

» 2004年12月14日 17時17分 公開
[IDG Japan]
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 Meta Groupのヨッケルソン氏は、「買収金額を回収できないリスクは明らかに存在する。これは間違った動きではないが、とても高い買い物だ」と話している。

 厳しい見方をする財務アナリストもいる。サンフランシスコでShareholder Value Managementを経営するジェフ・エンバーシッツ氏は、「これはかなり悲惨な事態になると思う。株価が落ち着くのを待った上で“売り”を勧める時期を決めるつもりだ」と話す。

 「Oracleはどういうわけか、決して引き下がろうとせず、法外な金額を支払う羽目になった。このような合併を試みた企業はかつてない。それに、Oracleは企業買収の実績がない」(同氏)

 しかし少なくとも一部のユーザーは、業界史上まれにみる激闘がついに終わったことで安堵を感じている。「ようやく落ち着いて判断が下せるようになった」とCRESHのウェブスター氏は話す。

 Oracleはライバルの1社を倒し、次なるライバルとの戦いに向けて一回り大きくなったことを喜んでいるが、ある意味では、同社は買収によって成長するという状況に追い込まれたと言える。エンタープライズソフトウェアメーカー、特にアプリケーションデベロッパー各社は、ITバブルの崩壊以来、販売サイクルの長期化や、高価なソフトウェアの購入に慎重な市場の状況に苦しんでいる。

 「この買収は防衛策でもある」とヨッケルソン氏は指摘する。

 「Oracleは、じっとしているだけではIBMやMicrosoftからビジネスを素早く奪うことができない。同社は今、自らの運命をコントロールするチャンスを手に入れたのだ」(同氏)

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