7分で分かる5月のBlog界dev blog/CMS(3/3 ページ)

» 2005年06月09日 01時11分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 GMOメディアは5月19日、自社が開発、運営するデスクトップメディア「mypop」のブログ更新通知機能拡張を行った(5月19日既報)。国産RSSリーダーとして初めての対応になるという。

ブログアクセサリ、続々と新規参入

 その数がどんどん増えているのが、キャラクター色を中心として人気が高まっている「ブログアクセサリ」。一方で、特定ブログや時間帯によっては、複数のアクセサリを張り付けて、ページ表示が重くなってしまうという問題点を聞くことも少なくない。

 5月にも、新しいブログアクセサリがいくつか登場している。まずは、キャラクター系のアクセサリから見てみよう。

 5月23日、サイバーエージェントがブログで育てるキャラクターサービス「メロメロパーク」β版のサービスを開始した(5月23日既報)。単なるキャラクター色ではなく、簡易SNS機能を付加している点がおもしろい。

 GMOメディアが5月27日に提供を開始した「ブログエッグ」は、卵から育てたキャラクターをコレクションして楽しむという趣向のもの(5月30日既報)。ブログの読者がコレクションできるという点は、ブログアクセサリの新機軸といえようか。

 アクセスカウンタにも新たなものが登場した。5月27日にガイアックスが提供を始めた「blog オンラインカウンター」がそれだ(5月30日既報)。該当ページを「今」参照している同時接続者数をリアルタイム表示するというものであり、ページ参照中にさらにアクセスがあると、カウンターの色が変化して新たな訪問者の存在も知らせてくれる。

 北海道をテーマとするブログサービス「チャンネル北国tv」を運営する「北国からの贈り物」が5月2日に提供を開始した、貼付型Blogパーツ掲示板「chobi」(ちょび)もおもしろい(5月2日既報)。チャンネル北国tv以外のブログなどで利用することも可能だ。

キーワードマッチ広告の今後はどうなるのか

 ブログでアフィリエイトと言えば、Amazonアソシエイト・プログラムなどのサービスに登録し、ブログ投稿の際にタグを貼る形態が一般的だ。一方で並ぶ存在として増えているのが、Google AdSenseを始めとしたキーワードマッチ広告の存在だ。

 ブログサービス「はてなダイアリー」を提供する「はてな」は5月16日、インターネット広告大手のセプテーニとキーワード連動型広告「はてなクリック」の提供を開始した(5月17日既報)。これは、連携する形で提供される「はてなキーワード」に関連付けるものであり、今後の行方に注目したい。

 キーワードマッチ広告を独自の形で組み入れている「Seesaaブログ」は、その取り扱いの拡大と共にクリック報酬額の変更実施を発表した(5月26日既報)。変更前が1クリックで10〜15円だったものが、1〜25円に変更されたため、上限はアップしても下限が9円も下がった形だ。この変更がユーザーにどう影響するのか注視したい。

公式ブログでイベントを盛り上げるパターンが増加

 ブログというものは、日記用途であったり、ジャーナリズム指向であったりと多彩な使われ方があるが、最近では「公式サイト」として活用するケースが増えている。よく見かけるのは映画やドラマの公式サイトをブログで作るという事例だ。中には、映画の公式ブログサービスすら登場しているのだ。

 5月9日には、ブログサービス「AutoPage」を利用した「キョンシーズ!公式ブログ」が開始した(関連リンク)。これは、アットエンタテインメントの「来来!キョンシーズ」DVD-BOX発売を記念して開設されたものだ。

 一方、宝酒造では、5月23日から同社の健康飲料情報をBlogで発信する「なんでも健康博2005 TaKaRa BLOGパビリオン」を順次オープンした(5月20日既報)。酢飲料や大豆飲料の情報を開発担当者がブログで発信し、ユーザーの意見の聞くことでファン獲得を目指すという。

 日本ラグビーフットボール協会(JRFU)は5月30日に公式ブログ「ラグビーJAPANチャレンジ2011ブログ」を6月1日からスタートすると発表(5月30日既報)。ワールドカップ招致スポンサーであるNECの「BIGLOBE」が開設し、ブログでラグビー人気を盛り上げようという試みが始まる。

ブログで映像コンテスト、企業マーケティングブログの新たな試み

 ココログなどに代表されるブログサービスが人気な情勢だが、一方で企業が情報を発信するためのマーケティング利用ブログも注目されている。

 マーケティングを掲げるブログには、ユーザーにブログ情報スペースを見せるというだけでなく、発信者側で利用の容易さが効果的という見解が多い。ユーザー(顧客)とのつながりを、コメントやトラックバックによって確保しようという試みだ。また、RSSによる情報発信という側面も注目されている。

 ブログに動画を組み合わせ、映像コンテストを実施しようというのが、イー・ステート・オンライン提供の「マイホームシアターBlog」。企業及びユーザー向けの住まい探しに有益な情報提供、映像配信を目的としているものであり、ブログ機能と動画機能を活用するというコンセプトを持つ。その第一弾の企画として始まったのが顧客参加型の「映像コンテスト」というわけだ(5月26日既報)。企業利用ブログの新しい形として、今後の展開に注目だ。

新聞社が個人ブログを意識したメタ配信の動き

 ブログでは、新聞社などのニュースをあたかも一次ソースとして見せ、配信しているケースも少なくない。ブログを中心にネット上で取り扱われている動きにナイーブな新聞社もある。逆に、個人ブログへと意識的に配信してしまおうという動きが起きた。

 5月24日からファンコミュニケーションズと産経新聞社が始めた、「夕刊フジBLOG」の見出しを個人ブログサイトへと無料配信するサービスだ(5月24日既報)。これまでのように、ポータルサイトにニュースや見出しを配信するのではなく、ターゲットが個人ブログという点が新しい。他社がこれに追随するのかどうか注目したいところだ。

 この事例とは少し異なるが、テレビアニメ公式カットをブログ向けに大量配信し、ファンを巻き込んだPR作戦を実施した例が、テレビアニメ「創聖のアクエリオン」だ(5月12日既報)

ブログの出版、新サービスが登場

 ブログが本になる――最初はごく限られたものだったが、いまでは多数の出版事例が登場し、自費出版という形ならば数多くのブログが既に出回っているのではないだろうか。

 ニフティは5月9日、ブログサービス「ココログ」で作成した自分のブログを書籍化できる有料サービス「ココログ出版」をスタートした(5月9日既報)。注文は1冊から可能なのがうれしい。

goo RSSリーダー新バージョンに不具合が

 2004年がブログ元年と言うのであれば、2005年はRSS普及の元年、という見方がある。その流れの一環、牽引する存在としても、各種RSSリーダーの開発、普及が見逃せない。

 ブログサービス「はてなダイアリー」を提供するはてなは9日、新サービスの「はてなRSS」ベータ版をリリースした(5月11日既報)。Webブラウザから利用するRSSリーダーで、同社が提供する「はてなアンテナ」と同様な使い勝手で利用できるよう開発されているという。「はてなアンテナ」からのインポート、「はてなブックマーク」との連携機能、同サイトを登録している人を探す機能が搭載されており、正式サービスが楽しみだ。

 一方、ブログサービス「gooブログ」のNTTレゾナントは、無料提供を行っているRSSリーダー「goo RSSリーダー」の新バージョンを5月16日に公開した(5月17日既報)。しかし、公開直後からさまざまな不具合が報告されてしまい、トラブルが多発、18日には早くも不具合修正版がリリースされた(関連リンク)。逆にこのことは、多くのユーザーが利用していることを表すものであり、RSSリーダーが着実に普及していることの証明にもなった。

ブログツールと脆弱性問題はいたちごっこか

 オープンソースのサーバサイドブログツールは、普及度合いから攻撃対象となりやすい存在といえるかもしれない。インターネットで提供されるWebサービスは、すべてその問題を抱えているといえるが、その中でも最近普及が進んでいるブログツールに関しては、少々目立つようだ。

 シックス・アパートは5月12日、サーバサイドブログツール「Movable Type」に、第三者による不正アクセスを許す恐れがある脆弱性について報じた(5月12日既報)。同社はWebサイト上にて問題を回避するための4つの対策を紹介し、ユーザーに対処を呼びかけている。この問題視は、Cookie盗用の可能性という点が注目すべき所だが、これはあらゆるツールで可能性がある問題点であり、ツールサイドの脆弱性と表現すべきだろうか? という意見も多い。

 脆弱性が存在すると報じられたのは、Movable Type日本語版すべてのバージョンであり、同社では対策方法を公開するだけでなく、6月上旬を目処に問題修正の「バージョン3.16」を出荷すると報じた。しかし、米国では3.17がリリースされたこともあり、日本語版は3.17としてリリースすることになった(6月6日既報)

 ブログツール「BlognPlus」(ぶろぐん+)は5月8日、最新バージョンのv2.2.0をリリースした(5月9日既報)。v2.2.0では、ケータイ投稿用の独自タグ追加や、ケータイ投稿で複数画像投稿に対応したほか、ケータイ閲覧時のコメントやトラックバックの表示を新着5件に制限するといった機能強化が目立つ。ケータイ利用で投稿するユーザーが多いことの表われだろう。なお、5月11日にはケータイ投稿用独自タグcategoryの問題が、12日にはコメント投稿文字数の問題があったとして、スクリプト修正が公式サイトに公開されている。

 ブログツール「sb」は、後継にあたるスクリプトを開発中であることを明らかにした(関連リンク)。内部構成を大幅に見直し、ほぼ一からの作り直しになっているという。リリース時期はまだ確定されていないが、公開が待たれるところだ。

 また、5月7日に報じたように、米AOLは有料会員向けサービスだったブログツール「AOL Journal」の無償提供を開始した。

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