「経営戦略としてのSOAとは何なのか?」──この連載「成功するSOA、失敗するSOA」では、SOAでビジネスを変革するヒントを紹介していきます(日本BEAシステムズ著「ビジネスはSOAで変革する」からの抜粋です)。
では、次に「SOAは製品である!」「異機種間システムをつなぐ製品がSOAです」といい切るベンダーの考え方にフォーカスしてみましょう。
「異機種間システムをつなぐEAIでSOAを実現する」とか「Webサービス対応の開発ツールでSOAを実現する」という売り文句で、独自ツールを売りつけようとするベンダーをよく見かけます。
しかし、ここまでお話ししてきたように、SOAは特定のツールで実現できるものではありません。
レベルを分析し、その次に、それを実現する実装段階に入ります。この段階で、なんらかのITツールは必要になると思いますが、これだけではSOAは実現できていません。SOAを実現できる環境が整ったら、次にアプリケーションを再利用するための体制を整備しなくてはいけません。社内のどこに、どういうサービスが存在し、事業戦略はどうなっているのかを見極めながらタクトを振るCIO、そして再利用可能なコンポーネントを切り出す専門組織も必要になります。
結論──SOAはツールだけで実現するにあらず。道具だけ揃えても、設計図と大工がいなければ家は建たず。
「成功するSOA、失敗するSOA」
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