基調講演終了後、Oracle Fusion Middlewareに関するQ&Aセッションも開催された。通常、ミドルウェアによる統合は、E-Business SuiteやSAPなど大規模なERPやメインフレームの統合が話題になることが多い。
では、ミドルウェア統合によるSOAは、中小規模の情報システムにもメリットはあるのだろうか。この問いに対してテラ氏は、「Oracle Fusion Middlewareの中のStandard Edition One(SE One)が中小規模のマーケットにも恩恵をもたらす」と応じた。中小規模の企業には開発者や運用管理者を十分に確保できないため、よりシンプルな実装が求められる。SE Oneは、インストールも簡単で、あらかじめ70種類以上のテンプレートが用意されており、ポータル環境を容易に構築できるという。
また、三澤氏によれば、日本の中小規模のマーケットにおいては国産のERPの採用率が高く、それらを統合したいという要望が強いという。これまでは、ERPそのものよりもはるかに費用がかかると揶揄されることもあるEAIを導入するか、手づくりで統合するしかなかった。
Oracle Fusion Middlewareを導入すれば、こうした要求にも安価に対応できるという。今後、国産の中小規模向けアプリケーションベンダーと、BPELを使って簡単にSOAが構築ができるように協業していくと補足した。ミドルウェアとしてオープンかつ業界標準を採用していれば、SOAは大企業ばかりでなく、中小規模のシステムであっても、低コストで既存資産の統合を図れるとしている。
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