7分で分かる1月のブログ界(2/2 ページ)

» 2006年02月03日 15時22分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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MSN Spacesのバージョンアップ

 1月のブログサービスについて、このほかの話題も振り返ろう。

 イー・アクセスのブログサービス「AOLダイアリー」は1月23日、予定を前倒しして、記事保存容量の拡大を実施した(関連記事)。ただし、最近のブログサービスのGバイト化と比べると規模は小さく、これからの利用状況を見ながら追加の検討を行うという同社の動向に注目したい。

 また1月27日、一部の噂があった通りにマイクロソフトのブログサービス「MSN Spaces」が大規模なアップグレードを行った(関連記事)。日本版で拡張された機能は、URLの短縮、画像容量の拡大(最大容量500Mバイトであり、ほかにも1カ月の最大アップロード枚数500枚)、フォトアルバムへのコメント欄の付加、プロフィールの機能強化、テーマの拡充、ブックリストの強化など多岐に渡るものだ。

 なお、「MSN Spaces」の話題として米マイクロソフトは、1月31日にブログ検閲への対応方針を公開している(関連記事)。政府から法律違反を指摘され、法的に拘束力のある通告を受けた場合、またはコンテンツがMSNの利用規定に違反する場合のみ、ブログコンテンツへのアクセスを、命令が出された国に対してのみ遮断すると規定したもの。

 ブログという開かれた場での検閲という行為はそぐわないが、日本政府が今後どのように関与する可能性があるのか、しっかり見届ける必要がある。

「見える」ブログの検索

 ほしい情報が書かれたブログを探すためには、従来の検索サービスでは情報更新が追いつかない傾向にある。そこで注目されているのが、更新の度合いを上げてブログ検索に特化させたサービスだ。すでに複数のブログ検索サービスが提供されており、いっそうのスパムトラフィック過多に影響するのではないか? と心配されるほどだ。

 「Seesaaブログ」を提供するシーサーは1月12日、ユーザーからの要望が多かったブログの記事検索サービスを開始した(関連記事)。このサービスは、アスクジーブスジャパンとの業務提携により、「Ask.jp」のブログ検索サービスを採用している。

 paperboy&co.が提供するブログポータル「JUGEM」は1月24日、マーズフラッグとの提携による「見えるブログ検索」をリリース、サムネイルも同時に表示させることで新たなブログ検索の方向性を探っている(関連記事)。また1月6日にはウェブドゥジャパンが運営するケータイ専用ロボット型検索エンジン「CROOZ!」(クルーズ!)と提携、ケータイ版JUGEMで「クルーズ!」の検索サービスを開始している(関連記事)

 また、ブログ検索とは少し様相は違うが、同じく「見える」ことに特化したソフトウェアが登場している。ソニーコミュニケーションネットワークが1月23日にリリースしたソフトウェア「Blog Keyword Visualizer」のβ版(ver.0.9)だ(関連記事)。ブログで語られているホットなトピックスをキーワード表示とアニメーションビューによって表現する。なお、β版の提供期間は3カ月を予定しているという(2006年4月末ごろまで)。

 さらに、流行しているポッドキャスティングの放送内容をテキスト検索可能な「PodZinger」が、1月11日に公開された(関連記事)

 このポッドキャスティングに関しては、DTI Servicesのブログサービス「DTIブログ」が1月10日、これまでの画像アップロードと同じ手順で動画ファイルのアップロードにも対応、ビデオポッドキャスティングを容易に作成できることが特徴だ(関連記事)。この動きは今後、ほかのサービスでも加速するトレンドかもしれない。

関連サービスとの連携

 ブログは、ブログサービスやブログツールで書き込むだけで公開され、いろいろな人の目に触れる。それらの中で注目されるものにはトラックバックやコメントが書き込まれ、ブログユーザー同士でつながる。しかし最近は、ブログ以外のサービスと連携する傾向が顕著になってきた。

 例えば、ブログを日記のように使っている人は、地域の有益な情報を書き込むことも多いだろう。この情報を、そのまま放っておく手はないと、アスクジーブスジャパンが運営する検索サイト「Ask.jp」は1月31日、地域情報の検索サービス「ジモナビ」βサービスの提供を開始した(関連記事)。地図情報とブログの関連記事をリンクさせることで、より利用者の便利性を高めることを狙いとしている。

 また、NTTマーケティングアクトは1月26日、転職支援サービスを展開するプロフェッショナルバンクの協力で、20〜30代のビジネスパーソンを対象にしたビジネス特化型SNS「キャらリア」をオープンさせた(関連記事)。労働市場における雇用のミスマッチ解消に向けた取り組みを進めるというこの試みは注目される。

 さらにブログとオークションを連携させたサービスも始まった。1月23日にスタートされた「アメーバオークション」だ(関連記事)。サイバーエージェントの子会社シーエー・モバイルが運営する無料オークションサイトで、サイバーエージェントのブログサービス「アメーバブログ」と連携させることが可能なのだ。ブログを使った商品紹介の方法でアフィリエイトが流行っているが、自分のオークション出品物も紹介することでさらなる可能性が広がりそうだ。

RSS利用、さらに広まるか

 ブログといえば、重要な要素の一つとして、RSS機能が挙げられる。ブログサービスやツールにはあらかじめRSS機能が搭載されているため、新しく書いた記事を読者がサイトに来なくても告知できるのが便利だ。ブログ以前に日本で流行した日記サイトでも、RSS配信を開始するところが増えている。

 RSSの利用は、何もブログだけではない。各ポータルサイトなどもRSS対応を進めているのが現状だ。

 その中で1月30日、NECの「BIGLOBE」の求人ポータルサイト「BIGLOBE仕事」でもRSSの情報配信が開始されている(関連記事)

Web 2.0に便乗する動き

 ブログと共に最近、話題のキーワードとして挙がることが多い「Web 2.0」。Web 2.0とは、オライリーからのコメントが発端となった今後のWebアプリケーションに関する指針のようなもので、その中の一つとしてブログがクローズアップされているのだ。

 1月30日、サイボウズはWeb 2.0に基づく無料インターネットサービス「Feedpath」の正式サービスを開始した(関連記事)。「インターネット上で展開する事業として、付加サービスではなく真意に取り組んでいくもの」と同社代表取締役社長の青野慶久氏が言及しているだけに、今後の展開が注目されるところだ。

 Web 2.0はブログにとどまらず、CMSも含まれていく。最近は、企業のCMS利用率が増えているが、まだまだ設置が難しいという意見も多い。そこで、GMOインターネットグループのサーバ事業ならびにセキュリティ事業を担うGMOホスティング&セキュリティは、パナソニックデジタルネットワークサーブと提携。同社のホスティングブランド「ラビットサイト」でエンタープライズ向けのWebサイト構築・運用を行うCMS搭載のホスティングサービス「CMSスタンダードプラン」を1月16日より提供開始している。情報発信の活性化などにも寄与するという。

 また、サーバサイドのブログツールでも関連ツールに動きがあった。

 スカイアークシステムは1月31日、Movable Type(以下、MT)に誰でも簡単に投稿できるツールとしてβ公開していたMT専用管理画面「MTCMS」の正式版を公開した(関連記事)。このリリースに合わせてシックス・アパートと共同で「MTCMS」発売記念の「Movable Typeバンドルパック」及び「MTCMS」を特別価格で数量限定の販売キャンペーンも実施している。

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