企画創出率を3割高める「広角発想」って何?企画マネジメント キラー上司には退場願おう(2/2 ページ)

» 2007年06月13日 07時00分 公開
[本間大樹,アイティセレクト編集部]
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創造性を消し去るキラーフレーズ

 これらの条件を前提とした上で、次に部署、プロジェクトのリーダーとして具体的にどのようにメンバーの創造性を伸ばしていけばよいのかを高橋氏は解説する。

 「まず一番やってはいけないのが部下の提案をその場で否定すること。そもそもそれら提案や意見は最初から完成度の高いものはない。それをもって上司が否定すれば部下は次の提案をしなくなる。部下の創造性を殺す言動をキラーフレーズというが、それを多用する上司はキラー上司であり、創造性を妨げる最悪の存在です」

 キラー上司は論外であるが、現実にはたくさん存在する。それは発想のルールを知らないからだと高橋氏は言う。発想法の1つである「ブレインストーミング法を考案した米国のアレックス・オズボーンは発想の「4つのルール」を定めている。

(1)判断延期 発想の段階では良い悪いの判断を一切しないこと。例えば会議の席でさまざまな発想が出てきたときに、それをその場その場で批評をすれば、次からの発想の妨げになる。発想を出す場面はひたすら発想を提案することに限定し、判断を延期するのである。

(2)自由奔放 とにかく何を言っても構わないという前提を徹底させること。既成概念、固定観念に縛られていたのでは新しいアイデアは生まれない。

(3)大量発想 思いつくまま、どんどん出す。最初から当たりを狙わず、自由にたくさんの発想を出す。ほとんどはハズレやボツとなるのだがそれを怖れてはいけない。

(4)結合発展 出された多くの提案、アイデアを結びつけることにより、発展させ改善させる。

 以上の4つがオズボーンの「発想のルール」だが、高橋氏はさらにもう1つ付け加える。

(5)広角発想 1つのテーマをできるだけたくさんの角度から発想する。例えば「ビール瓶の新しい使い方」というテーマがあったとき、水を入れて花瓶にする、砂を入れて鉢にするなど「入れる」という容器としての発想だけではなく、ビール瓶を100本集めて筏を作る、王冠を使ってバッジにするなど、さまざまな角度、視点から発想を広げていくことができる。以上が「5つのルール」だが、高橋氏によればこのルールを発想会議のメンバーに知らせたところ、知らせなかった場合に比べ、アイデアの数も広がりも3割ほどアップすることが確かめられたという。

 角度を変えれば出尽くしたと思っていた企画に新しい発想がわきでてくる。こうした角度の変換をマネジャー自らが提案するとともに、チームの構成メンバーが日常的に行うようになればしめたものだ。

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