クラウド時代の新たなOSバトル幕開けニュース解説 GoogleがChrome OSを発表

米Googleが7月7日(米国時間)に発表したネットブック対応の「Google Chrome OS」は、クラウド時代に向けた新たなOSバトルの幕開けとなりそうだ。

» 2009年07月09日 08時24分 公開
[松岡功,ITmedia]

 GoogleがついにOS市場に乗り込む。「ほとんどの時間をWebで過ごす人向け」の軽量オープンソースOS「Google Chrome OS」を今年内に公開する。(ニュース記事参照

 GoogleがChrome OSを投入するのは、Webベースでの利用を中心としたネットブックがクラウドコンピューティング時代のクライアントとして主流になると見ているからだ。同社のWebブラウザ「Chrome」の利用に特化した軽量OSをコンセプトとしているのはそのためだ。

 最大の狙いは、現在クライアントOSで圧倒的なシェアを占めているMicrosoftのWindows OSの牙城を切り崩すことにほかならない。折しも、MicrosoftもここにきてOSの軽量化を図り、今秋に投入する「Windows 7」でWindows市場の維持・拡大に全力を挙げる構えだ。まさにクラウド時代に向けた新たなOSバトルが始まろうとしている。

 GoogleはChrome OSのコードを2009年にオープンソースとして公開し、来年後半には同OSを搭載したネットブックがOEMパートナーから発売される予定だという。今秋からはWindows 7の登場と相まって、比較論議が一層ヒートアップするだろう。状況によっては、GoogleがChrome OSの開発を早めることもありえそうだ。

 それにしても、なぜこのタイミングでの発表なのか。GoogleがChromeを生かすOSを開発しているとのうわさは以前からあった。内部でその設計にめどが立ったタイミングなのかもしれないが、折しも来週13日から4日間、Microsoftが米国でパートナー向けカンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)」を開催する。そこでMicrosoftがクラウド環境「Windows Azure」の詳細を発表する予定だ。

 Googleはむしろ、このタイミングを図っていたのではないかとも受け取れる。このOSバトルは、IT市場がいま迎えている大がかりなパラダイムシフトの縮図ともいえる。そこから生まれてくる利便性を、世界景気浮上の弾みにしたいところだ。

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