福岡県教育センターは情報基盤の更新で、EMCの統合ネットワークストレージ「EMC Celerra NS-20」を採用し、順調な稼働を確認した。
福岡県教育センターは1950年に開所し、教育研究施設として県下の学校教育に携わる教員の育成を支援している。同センターでは、幅広い児童、学生を対象にした「調査研究」、基礎からリーダー育成、ICT関連などを含む「教職員向けの各種教育研修」、授業運営をバックアップするための「学校支援」などが主な事業となっている。同センターには年間県下約1万4000人の教職員が指導力向上のために訪れるという。
今回システム更新の対象となったのは、約130人の職員と研修に訪れる年間約1万4000人の教員が業務のために利用する情報システム。システム移行では、日常的な施設運営や研修過程において発生し、増加し続けるデジタルデータ類の最適な格納が最大のテーマだった。特に、同センターのコミュニケーションの中核的な手段である電子メール、研修授業風景や教材などの大容量映像ファイル、各教員の過去の研修履歴という3種類の異なるデータをまとめて格納でき、さらに今後のデータの増加にも問題なく対応して安定的に稼働する能力が求められていた。検討の結果、クラスタリング機能に優れ、高い可用性を実現できるという評価から、EMCの統合ネットワークストレージ「EMC Celerra NS-20」が採用され、新しい情報基盤は2008年10月から本番稼働しているという。
同センターでシステムの運用管理を担当している同センターの情報教育部では、EMC Celerra NS-20導入のメリットとして、(1)統合クラスタリング機能による高可用性の実現、(2)優れたネットワーク・ポートのアーキテクチャ、(3)データ復旧を可能にするスナップショット機能、(4)データアクセスの高速化などを挙げている。
クラスタリング機能では、EMC Celerra NS-20は99.999% という高い可用性を確保しており、総容量約2Tバイトのデータを格納し、就業時間中は間断なくアクセスされるというハードなアクセス環境にありながら、トラブルがなく順調に稼働している。担当者がほとんどサーバ室へ行く必要がないほど運用管理負荷も軽減したという。
また、データアクセスの速度について、同センターでは、内部統制強化の観点からデータをローカルPCに置かないというルールを設けているが、EMC Celerra NS-20へのアクセスがローカルPCのHDDと同じくらい高速で行えるために、ユーザーが不便を感じないとしている。センター内には、光ファイバーを使った2.4Gbpsの高速大容量ネットワークが敷設されており、映像ファイルの再生もストレスなく行える。
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