「AppleはGoogle Voiceを却下した」――GoogleがFCCへの回答を公開Appleは「審査中」と回答したが

AppleによるGoogleのiPhoneアプリ締め出し疑惑に関するFCCの調査で、当初GoogleがFCCに一部非公開を求めていた回答文書が全文公開された。

» 2009年09月19日 08時17分 公開
[ITmedia]

 米Googleは9月18日、米Appleの「Google Voice」却下問題に関する米連邦通信委員会(FCC)からの質問状に対する回答の全文を公開した。これにより、Appleは「Google Latitude」とGoogle VoiceのApp Storeでの提供を却下していたことが明らかになった。

 Googleが非公開にしていたのは、FCCの「AppleはGoogle Voice(ほかにも却下されたアプリがあればそれについても)却下の際、どんな説明をしたか。この件に関するAT&TおよびAppleとのコミュニケーションについて説明せよ」という質問に対する回答。

 Googleは8月21日の回答提出時、この部分を開示するのは他社との競争上不利として非公開にしていた。提出直後、複数の個人や組織がこの情報に対し米情報の自由化法(FOIA)による開示請求を行ったことと、Appleが回答文書を公開にしていることを考慮し、全文公開を決めたとしている。

 Google Voiceに関しては、6月2日にApp Storeに登録した同アプリの承認状況について7月5〜28日に両社で討議したが、Google VoiceがiPhoneの自動ダイヤル機能と重複するという理由で、7月7日にAppleが電話で却下の通達を行ったという。

 位置情報共有サービスのGoogle Latitudeに関しては、2月27日の登録後、3月5日〜4月10日に両社で協議したが、10日にAppleのオフィスでの話し合いの席で却下されたという。却下の理由は、同アプリがiPhone標準の地図アプリに置き換わる可能性、標準の地図アプリがGoogle Mapsであることからユーザーに混乱をもたらす可能性、標準の地図アプリにない機能を提供することでユーザーに混乱をもたらす可能性を持っているという説明だったとしている。

 これらの件に関する両社のコミュニケーションは、Googleの技術研究上級副社長アラン・ユースタス氏とAppleのワールドワイドマーケティング担当上級副社長フィル・シラー氏との間で行われた。なお、GoogleはAT&Tとはこの件に関するコミュニケーションを行わなかったとしている。

 8月21日にAppleがFCCに提出した回答では、AppleはGoogle Voiceを締め出してはおらず、審査中の段階となっている。

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