メッセージラボは、SaaS型セキュリティサービスを中小企業向けに強化すると施策を発表。200社以上の新規利用を狙う。
シマンテック傘下のメッセージラボ ジャパンは10月6日、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形態で提供するメール/Webセキュリティサービスを、中小企業向けに強化すると発表した。日本語による運用ツールの提供やヘルプデスク対応などを開始した。
サービス強化で新たに実施したのが、ユーザー用管理コンソールの完全日本語化や国内および海外での日本語によるヘルプデスク対応の強化など。また、中小企業向けの営業およびマーケティング担当者を採用して人材面も強化した。
カントリーマネジャーの山本誠治氏によると、過去数カ月で電子メール全体に占めるスパムの割合が90%前後と高水準にあり、国内は世界平均よりも高い状態にある。IT管理者などの人的リソースに制約がある中小企業ではセキュリティリスクが高く、SaaSの利用率も低いことから、同社事業の機会があるとしてサービス強化を決定した。
日本語化された管理コンソールなどは、すでに同社の技術基盤を用いてサービスを提供している日立情報システムズの「メールセキュリティ On-Demand」などで運用が始まっている。同社では既存代理店と中小企業に特化したサービス展開を予定するほか、代理店候補となる企業とも新規のサービス提供について検討中だという。
同社の国内ユーザーは約250社28万人という規模で、1社当たり利用規模は平均1000人。一方、世界全体では同400人と多くの割合を中小企業顧客占めている。山本氏は中小企業ユーザーに対するメリットとして、海外での事業実績や大企業での運用に耐えるサービス品質、自社運用に比べて安価なコスト面などを訴求する。
同氏は、「セキュリティのSaaS事業者としては唯一、ウイルス検出率で100%、スパム検出率99%のサービス保障を提示しており、この部分についてサービスには自信がある。中小企業のセキュリティ強化を支援したい」と話した。
利用価格は、実際にサービスを提供する代理店によって異なるが、おおむね1ユーザー当たり月額数百円程度となり、特に500人以下の規模では自社でシステムを運用するよりも、SaaS形態の方がコストは低くなる場合が多いという。
同社では今回の施策により、今後1年間で200社程度の新規利用を見込んでいる。
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