コンピュータ御三家、新社長の手腕伴大作の木漏れ日(3/3 ページ)

» 2010年03月08日 16時44分 公開
[伴大作,ITmedia]
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合従連衡

 今、三社がそろって存亡の危機に立たされているのは間違いない。確かに、日立製作所の情報通信グループはほかの2社と比べると好調かもしれないが、世界的に見た場合、単なるIBMのパートナーとして今後の成長戦略をIBMに委ねるのかという疑問が残る。ストレージの世界でもシェアを急速に高めているHPの存在は不気味だ。

 富士通は、何といっても、5人の副社長体制に疑問が残る。スピードが求められる現代経営でそのような合議制が果たしてまともに機能するのか。また、IAサーバで世界50万台の販売達成など実現可能なのか。これに関しては、野副さんが退任して、間塚さんに代わったことで明らかにトーンが下がったが、新社長も目標堅持を明言した。しかし、具体策は何も明示されていない。もし、これが掛け声倒れに終われば、富士通の世界におけるプレゼンスはなくなってしまう。

 NECも、サーバ、クライアントPC市場でずるずるとシェアを失い続けている。しかも、今回も社長は通信畑から選ばれた。このままなら、コンピュータ部門は自然死を迎えるだけだ。

 このように、3社はそれぞれの部門で提携したり合弁会社を作ったりしている。一方で、IAサーバに代表されるように「不毛な競争」を繰り広げている。ストレージ部門でも同様だ。

 このような状況を一刻でも早く終らせ、安定した国内市場に支えられて海外に乗り出すのが本来の姿だ。今回の社長交代を機に、各社は自社の強みをもう少し明確に認識し、大胆な再編を行う時期ではないだろうか。彼らに残された時間はそれ程長くない。

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