新モバイル広告プラットフォーム「iAd」も発表。新OSではエンタープライズ機能も強化された。
米Appleは4月8日、次期iPhone OS「iPhone OS 4.0」を発表し、開発者プログラムでβ版とSDKを公開した。iPhoneおよびiPod touchではこの夏に同OSへのアップデートが行われ、iPadでのアップデートは秋になるという。
マルチタスクに対応し、新しい方法でアプリを素早く切り替えて使えるようになった。開発者は、バックグラウンドオーディオやVoIPを含むマルチタスキング機能をアプリに追加できる。例えばPandoraのような音楽アプリでiTunesと同様にほかのアプリを利用中に音楽を聴くことができたり、スリープ状態でもVoIPの着信を受けることができる。Appleは、このマルチタスキング機能をバッテリー持続時間と利用中のアプリのパフォーマンスを損なうことなく実現できるとしている。
アプリをカテゴリ別にまとめて管理する「Folders」機能も追加された。アプリのアイコンを別のアイコンにドラッグすることで新しいフォルダを作成できる。このフォルダには「ゲーム」など、App Storeのカテゴリに基づいた名前が自動的に付く。
新メール機能「Unified Inbox」で、1つの受信ボックスですべてのメールアカウントのメールを表示できるようになった。メッセージをスレッドごとに表示できるようになり、添付ファイルを対応アプリを使って開けるようになった。
新OSはiPhone 3G、iPhone 3GS、第2世代と第3世代のiPod touchに対応するが、全部の機能があらゆる端末で利用できるわけではない。例えば、マルチタスク機能はiPhone 3GSと第3世代のiPod touchのみに対応するなど端末によって利用できる機能に制限が設けられている。
エンタープライズ向け機能も強化された。Exchange Server 2010、Juniper NetworksとCisco SystemsのSSL VPNアプリケーションに対応し、複数のExchange ActiveSyncアカウントを設定できる。また、企業の管理者がネットワークを通じて従業員の iPhoneをアップデートできる「Mobile Device Management」サービスも提供する。「Data Protection」機能では、パスコードを使ったデータの暗号化ができるほか、従来より長く複雑なパスコードの設定が可能になった。
なお、Appleは新たなモバイル広告プラットフォーム「iAd」も発表した。これまでのモバイル広告との大きな違いは、広告をクリックしても別サイトに移動せず、その場でフルスクリーンのインタラクティブな広告が表示され、ユーザーが簡単にアプリに戻れる点であるとしている。開発者はiAdの機能をアプリに組み込むことで、Appleが販売する広告収入の6割を得ることができる。
Appleによると、現在のApp Storeからのアプリダウンロード数は40億を超え、登録アプリは18万5000本以上。iPhoneおよびiPod touchのユーザー数は8500万人以上という。
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