NECとアビームコンサルティング、鉄道事業者向けクラウド経理基幹システムを提供国内初

同等のシステムを自社で構築・運用するのに比べ、5年間で最大30%のコスト低減が可能と試算している。

» 2010年12月08日 17時04分 公開
[鈴木麻紀,ITmedia]

 NECとアビームコンサルティングは12月8日、鉄道事業者向け経理システムをネットワーク経由でサービス提供する「鉄道業向け経理クラウドサービス」を開発し、今月中に販売およびサービス提供を開始すると発表した。

 鉄道業界では、旅客・輸送に加え、不動産、流通、ホテル、旅行など多岐にわたる事業を運営する企業も多く、グループ全体視点での経営情報の見える化や、IFRS(国際会計基準)への対応を視野に入れた会計方針、業務・システムのグループ標準化/統一化への取り組みが求められている。

 事業ごとに構築・運用しているシステムに掛かるコストの増加や、ICカードなど新規分野におけるIT投資ニーズの高まりなどを背景とした投資の適正化といった課題もあり、こうした課題解決を支援し、将来の成長にも寄与できる先進的な経理システムを短期間かつ低コストで利用可能とするサービスが求められてきた。

 鉄道業向け経理クラウドサービスは、SAPジャパンの基幹業務ソフトウェア「SAP ERP」をベースに、鉄道会計規則に準拠した決算整理機能や鉄道業固有の固定資産管理などの鉄道業特有のシステム機能を加えてサービス提供する。これらの追加機能には、アビームコンサルティングの交通運輸業向けテンプレート「ABeam Transportation Solution for SAP ERP」を利用している。クラウドサービスで提供することで、同等のシステムを自社で構築・運用するのに比べ、システムに掛かるコストを5年間で最大30%低減可能と試算している。

 大手民営鉄道を中心に本サービスを拡販し、今後3年間で15社への導入を目指すという。また、今後は経理システム以外の鉄道業向けソリューションもクラウドサービスで提供し、鉄道事業者の経営・業務革新に貢献するソリューションを一層強化していくという。

鉄道業向け経理クラウドサービスが提供する機能

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