NEC、消費電力を最大で半減したSAN対応ストレージ

NECは、iStorage Mシリーズのラインアップ強化として、「iStorage M500」、「iStorage M300」を追加。従来機比最大50%の省電力と4倍の処理性能を実現したという。

» 2011年10月20日 15時53分 公開
[ITmedia]

 NECは、SAN対応ストレージ製品群「iStorage Mシリーズ」のラインアップ強化として、省電力や仮想化に対応したミッドレンジモデル「iStorage M500」ならびにローエンドモデル「iStorage M300」を本日20日より国内で販売すると発表した。同製品は北米・南米・アジア・欧州においても順次販売する。

 今回の新製品は、同社の「コモン・プラットフォーム」コンセプトに基づき、CPUや電源をサーバ製品と共通化するなど、サーバ開発で培った技術を水平展開することで省電力化や性能向上を図った。またストレージ内部の仮想化を進めることで運用性や信頼性を向上し、ミッションクリティカルな業務システム構築やプライベートクラウドの構築に有効な製品だとしている。

 iStorage M500は80+のプラチナ認定を受けた電源ユニットを、iStorage M300は同じくゴールド認定を受けた電源ユニットを採用し、従来機比最大50%の省電力化を達成した。独自設計による部品の最適配置や冷却ファンの回転数制御などで、40度の環境での稼働に耐えるとともに、直流給電方式にも対応する。これらにより、データセンタの空調なども含めた消費電力を大幅に削減できるという。

 また、高性能CPUの採用や内部バスの高速化、複数のI/O処理をまとめて高速に処理するRAIDアクセラレータの採用に加え、ストレージ内部処理を多重化することで、従来機比最大4倍の性能を実現したという。

 仮想化対応には、「VMware vSphereTM」において、サーバ上で実行されていた処理の一部をストレージで実行することでシステム性能を高めるAPI「VAAI」に対応。業務を停止することなく、データをディスクにバックアップできる独自のソフトウェア「WebSAM Storage RepNavi Suite for VMware」を用意することで、仮想化環境のシステム性能と運用性を向上したという。

 さらに、SSDを二次キャッシュとして利用するソフトウェア「iStorage PerforCache」も提供し、多数の仮想サーバ接続で発生するホットスポットによる性能低下などに対処する。また、コントローラ障害発生時の性能低下を最小限に抑えながらデータが消去されないようSSDで保護するパーシステントライト機能など、SSDを活用した機能を新たに搭載した。ストレージシステム内において、データのアクセス頻度や特性に応じて自動的に最適な領域へとデータを移動させるソフトウェア「iStorage PerforOptimizer」も用意し、管理コストの最適化を図る。

 iStorage M500の価格は895万円から、iStorage M300は325万円から(いずれも税別)。それぞれ12月22日、10月21日から出荷する。

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