SDNを活用した“キャリアクラウド”Gartner IT Infrastructure&Data Center Summit 2013 Report

NTTコミュニケーションズがグローバルで提供するクラウドサービス。通信キャリアならではの強みがあるのだという。

» 2013年04月26日 19時23分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のガートナー・ジャパンは4月24日〜26日の日程で、年次カンファレンス「Gartner IT Infrastructure&Data Center Summit 2013」を開催した。2日目のブレークアウトセッションでは、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の田中基夫クラウドサービス部長が、Software Defined Networking(SDN)を活用した同社のクラウドソリューションの強みを紹介した。

NTTコミュニケーションズの田中基夫クラウドサービス部長 NTTコミュニケーションズの田中基夫クラウドサービス部長

 SDNとは、ネットワークの構成や機能などをソフトウェアの操作だけで動的に設定、変更できるという概念。NTT Comでは、このSDNを用いた企業向けクラウドサービスを大きな特徴としている。具体的には、データセンター内あるいはデータセンター間にSDN技術を採用することで、サーバとネットワークリソースをリアルタイムで柔軟にコントロールし、データをバックアップする。「例えば、通信量が急増した場合、ネットワーク帯域を通常の10Mbpsから500Mbpsまでブーストできるようになる」と田中氏は説明する。

 また、SDN技術により、既存のオンプレミスシステムのIPアドレスを変更せずに、そのままNTT Comのクラウド環境(Bizホスティング Enterprise Cloud)へのマイグレーションが可能になるという。これによって、企業はクラウドへの移行を迅速に実現し、容易にバックアップを強化できるというわけだ。

クラウドとネットワークの一元化を

 こうしたクラウドサービスを支えるのが、通信キャリア企業としてNTT Comが誇るデータセンターだ。同社は現在、世界140拠点以上、約17万平方メートル以上の面積でデータセンター事業を展開しており、特にこの1年でアジアや欧州を中心に大幅に拡大している。

 加えて、昨年8月には大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express(ASE)」を運用開始。これにより、日本、香港、マレーシア、シンガポールなどアジア地域のデータセンター間を低遅延で接続できるようになった。

 「NTT Comは、従来からネットワーク基盤を軸にグローバルでビジネスを展開しており、データセンターに対しても積極的な投資を続けている。こうした知見を基に、クラウドとネットワークを一元化したサービスを提供し、24時間365日の多言語サポートも可能である。この“キャリアクラウド”によって、企業のグローバルICT基盤の構築を支援し、全体最適を実現していきたい」(田中氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ