2015年の国内IT市場を揺るがす3つの動きWeekly Memo(2/2 ページ)

» 2015年01月05日 17時00分 公開
[松岡功,ITmedia]
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<3>「Windows Server 2003」サポート終了と経営革新

 3つ目は、マイクロソフトのサーバOS「Windows Server 2003」のサポートが2015年7月15日に終了することをめぐる動きだ。サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなり、セキュリティ上、非常に危険な状態となることから、同OSを搭載したサーバを使用中のユーザー企業は新しい環境へ移行する必要がある。同OSはとくに中堅・中小規模の企業システムに広く利用されていることから、2015年の国内IT市場をめぐる動きとしても大きな関心事である。

photo Windows Server 2003は、2015年7月15日にサポート期間を終える

 IDCの調査によると、同OSを搭載したサーバは2014年末時点で約21万台が国内で稼働中。これは現在国内で稼働中の全PCサーバの8.8%を占めるという。サポート終了までにこの台数を極力減らさないと、相当数の企業システムの安全性が脅かされることになる。

 注意すべきなのは、新しい環境への移行にはそれなりに時間がかかることをあらかじめふまえておかなければいけない点だ。移行作業には数カ月から、場合によっては1年を要することもある。その意味では、まさしくタイムリミットが迫っている喫緊の課題である。

 ただ、ユーザー企業にとっては、この機会が全社的なIT刷新の好機にもなり得る。移行先となる新しい環境として、これまでのオンプレミス環境だけでなく、さまざまなクラウド環境を選択できるからだ。移行先は柔軟に組み合わせ可能なので、あとでIT面での再調整が必要になっても対応できる。

 肝心なのは、こうしたIT刷新を機に、企業としてビジネスやマネジメントにITをどう活用していくかをしっかりと見直す機会にすることだ。

 すなわち、今回の移行を「経営革新の好機」ととらえるのである。ITベンダーもユーザー企業に、ぜひそうした経営革新の提案を行ってもらいたい。そうすれば、この動きは中堅・中小企業にとって大いに価値のあるものになるはずである。



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