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» 2015年06月01日 13時00分 公開

俺たちの情シス第2回 リポート:“勝手クラウドの悩み”に見えた、情シスの原点 (2/2)

[岩城俊介,ITmedia]
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「相談される情シス、クラウドおたくな情シス」になりましょう

photo 情シス/業務部門どちらの気持ちも分かるYさんは「では、相談される情シスになるには?」についてお話いただきました

 続いて、某メーカーの元情シス/教育サービス会社の業務部門、両方のキャリアを持つYさんにお話いただきました。「なぜ勝手にやっちゃう」のでしょう。

 「相談・申請すれば、どうせ止められます。止められないまでも手続きなどが必要で面倒です。……そもそも、情シスに言わなきゃいけないと思っていない人も多いです(笑)」(Yさん)

 そんな業務部門も「本当は相談したい」のです。簡単に導入できると言っても多少のIT知識は必要。どれが一番いいか知りたいし、この利用規約で大丈夫? といった不安もあります。SaaSならばともかく、もっと複雑なクラウドとなると、頼る先はSIやベンダーになります。自社の事情やリスクをじっくり考えてくれるわけではないかもしれません。

 「だから、“相談される”情シスになることです」(Yさん)


photo 業務部門も「本当は相談したい」のです。でもそれを拒む空気を出してしまっていませんか……?

 情シスならば相談が来る機会は多いかもしれません。でも「はぁ?」と面倒そうに対応したことはありませんか? 「何それ? 知らねえよ。つか、申請書出せよ」なんて言われたら、業務部門は相談しただけ無駄だったと思ってしまいます。Yさんは「情シスメンバーの誰か1人でいいので、“クラウドおたく”がいればいいと思います。あの人に聞けば教えてくれるという状態ならば、社外のSIやベンダーに相談する前に“頼る”はずなのです」と提言してくれました。

 改めて突きつけられた業務部門のホンネに、みなさん「ハッ」となったようです。「相談はいろいろありますよ。でもセキュリティ観点で、オッケー! などとはなかなか即答できない……」「便利なことは分かっている。でも情シスとして、守るべきところは守らなければならない」「それしかなく、どうしても使わざるを得ないものならばいいよと言うしかない。でも、そうでなければ“ちょっと待って。会社で標準としているこっちを使ってみて”とは言う」「確かに、業務部門が起点になってITを活用する機会が増えている。彼らのニーズに応える体制は今後絶対に必要と思う」といった議論が交わされました。

情シスが活躍する領域は「こんな状況だからこそ“ある”」のです

photo 「勝手クラウドとの戦いの歴史」があったという、Kさんのお話
(※情報保護とポリシー統一のため、一部画像処理を施しました。ご了承下さい)

 最後にモバイル広告/マーケティング開発企業のKさんに登壇していただきました。Kさんは大規模な広告配信システムや社内情報システムの開発や運用を担うビジネス基盤開発のリーダーとして活躍されています。

 親会社は某通信事業者。当然、自社も親会社の厳格な基準に準拠し「勝手クラウドは、情報管理のルールでNG」としていました。業務部門から相談があっても、もちろんそう対応していました。「でも、いつの間にか業務部門にAWSが勝手に使われていました。敗北です(笑)」(Kさん)。2013年、転機が訪れます。親会社がAWSのイベントで「AWSのビッグユーザーです」と大発表。「えーーー。そうなの?(それなら使ってみようか)」(Kさん)。

 試行すると、確かに「ビジネスの速いスピードに対応できる」ことを改めて実感したそうです。インフラの調達と導入に何カ月もかかれば、もはやその話自体がなくなってしまう。セキュリティも、自社インフラよりAWSの方がおそらく強固です。「やはりいい。しかも面白い」こんな情シスメンバーの共通した声でチームも活気付き、知識と経験の蓄積が加速されました。「するとどうでしょう。先の勝手に入れた業務部門が“分からないので教えて……”と聞きに来るようになりました。リベンジ成功ですよ(笑)」(Yさん)


photophoto 勝手クラウドからの“敗北”から転機、試行して活用すると……「リベンジ成功(笑)。現在は協力して構築しています」
(※情報保護とポリシー統一のため、一部画像処理を施しました。ご了承下さい)
photo ココイチのカレーで乾杯(?)した第2部のビジネス交流会も盛況。独特のユルめな雰囲気が好評でした

 「簡単、便利、早い。クラウド化は確かに効果があります。業務部門に任せちゃう考え方はあるかもしれませんが、私はそうは思いません。管理はそれなりに難しく、コスト削減などの意識も希薄になりがち。そして(AWSは特に機能が多く、矢継ぎ早に機能追加もあるため)使いこなせないことになると思います。だから、情シス部門が面倒を見てあげるべきです。クラウドを毛嫌いしてはダメです。ITのコモディティ化は確かに進みますが、情シス部門が活躍する領域はこんな状況だからこそあります。“情シス不要論”をおっしゃっている方もいるようですが、そんなことは吹っ飛ばして行きましょう!」(Yさん)

 「守りから、攻めのITへ」。企業のクラウドファースト、モバイルファーストの考え方が一層進んでいく昨今、情報システム部門への要望も、ITをビジネス戦略と成長の武器に据え、提言する「攻めの情シス」へ変革する役割が求められています。「4月よりひとり情シス担当に“させられて”しまって、みんなは何を考えているのかを確かめたくて参加した。そういえばこういうところからでいいんだ、と原点を見つめ直せた」こんな声があったのも、とても印象的でした。俺情イベントは「攻めの情シス」もキーテーマにしていますが、新時代に向けた情シスの変革の第一歩としてここは原点にしたいですね。



 本音トークで盛り上がる楽しい時間はあっという間に過ぎていき、最後は全員で記念撮影。せーの「情シス不要論を吹っ飛ばせ〜」(笑)。

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 ITmedia エンタープライズは、「情シス」のみなさんのためのメディアです。「俺情」は今後もさまざまなテーマで開催しますので、ふるってご参加ください。また、「こんなテーマなら出てみたい」「この企業の情シスに会いたい」などといったリクエストもお待ちしています。

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