ニュース
» 2015年09月14日 08時00分 公開

第4回 ワークスタイル変革に必要な「労務管理と評価制度」の再考小林伸睦の「成功に導く“ワークスタイル変革”現場論」(2/2 ページ)

[小林伸睦(シトリックス・システムズ・ジャパン),ITmedia]
前のページへ 1|2       

密なコミュニケーションと明確な評価をどうするか

 企業や組織の制度を再考するにあたっては、実際に働いている人や部下を管理する管理職にとって運用可能な制度か、またそれらを補うためにどうすべきかを考えることも大切です。

 時間や場所にとらわれない働き方が可能になれば、従来の制度で仕事をしている従業員は困惑してしまうかもしれません。今までとは異なる業務環境では、目の届かないところで働く部下や上司の間でどうやってコミュニケーションを維持していくのか、上司として部下をどう管理し、評価するのか、部下はどう評価されるのか、などの疑問も出てくるでしょう。

photo どこでも働けるようになると、目の届かないところで働く部下とどうやってコミュニケーションをとるか、部下をどう管理し、評価するのか、などを考える必要があります
写真:(c)2015 Citrix Systems,Inc. All right reserved.

 まず、上司は部下のワークロードを含めた業務の遂行状況や体調などを把握するために、より積極的なコミュニケーションを行うことが必要とされるでしょう。部下も自分の労働状況を明確にするために、上司やチームと積極的なコミュニケーションが必要になります。それは例えば、始業のタイミングで予定と成果物の定義を連絡し、終業時に成果物をメールで提出するといった形もあれば、在席システムやコラボレーションツールを利用していつでも連絡が取れるようにしておくなど、様々な方法があります。

 また、前述しましたが、ワークスタイル変革を個々のパフォーマンスを最大に引き出すために柔軟な働き方を可能にすることと捉えるならば、業務時間に関わらず、成果に対しての評価を行っていくことも大切です。短期的なものであれ、長期的なものであれ、あらかじめ上司と部下の間で目標設定がなされ、評価についても合意を得るということが大切になってきます。

 1つ誤解のないように補足しておきたいのは、ワークスタイル変革によって在宅勤務やモバイルワークが可能になるといっても、全ての社員が会社に来なくなるわけではありません。その割合も上司との相談によるでしょうし、従来からある対面したコミュニケーションが全くなくなることもありません。業務の中でも個々の業務ごとに必要となるコミュニケーション形式は様々ですので、それらに応じて適切な形式をルール化して運用することになります。

社内の専任部門の関与

 今回は労務管理および評価の制度をどう再考するかについて、留意すべきことを挙げました。ちなみに今回は、弊社(シトリックス・システムズ・ジャパン)での制度をベースとしたもので、日ごろ一緒にワークスタイル変革の推進を行っている弊社の人事チームの見解を参考にしています。

 自社のワークスタイル変革推進計画に合った労務管理や評価の制度を再考する際には、労務規定や評価制度に関する専門知識や策定の権限を持った人事・総務部に相談する必要があります。この人事部・総務部の見解にも沿いながら新しい働き方とルールを検討していくことになります。特に全社で展開するならば、人事部の関与なしに進められるワークスタイル変革はないといっていいでしょう。

(続く)

 次回は「情報管理の在り方と企業や組織内におけるカルチャー」について取り上げます。


小林伸睦(こばやし・のぶちか)

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 営業推進本部 営業推進マネージャー兼エバンジェリスト。イベントやセミナーなどの活動を通して働き方やワークスタイルの変革を推進しながら、「モバイルワークスペース」ソリューションのエバンジェリスト活動およびパートナービジネスのレディネスを担当する。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ